北九州市小倉南区のファストフード店で2024年12月、中学3年の男女2人が殺傷された事件で、福岡地検小倉支部は11日、殺人や殺人未遂の疑いで逮捕・送検された無職の平原(ひらばる)政徳容疑者(44)について、事件当時の精神状態などを調べる鑑定留置を4月14日まで1カ月延長すると明らかにした。 事件は24年12月14日夜、小倉南区徳力(とくりき)1のマクドナルド店舗内で起きた。レジの列の最後尾に並んでいた中学3年の男女2人が刃物で襲われ、男子生徒(15)は腰を刺されて約1カ月の重傷を負い、同級生の女子生徒(当時15歳)は腹を刺されて亡くなった。 福岡県警は、平原容疑者と中学生2人に面識はなく、直前に何らかの一方的な思い込みから2人を狙った可能性があるとみている。一方、平原容疑者は事件前、自宅の窓から爆竹を投げたり、拡声器で大声を出したりするなど不可解な行動が目撃されていた。 想定される裁判員裁判では刑事責任能力が争点になる可能性があり、地検小倉支部は平原容疑者の事件当時の精神状態を調べるため、25年1月16日から鑑定留置を実施。当初は3月14日までの約2カ月間の予定だったが、さらに時間をかけて精神鑑定をする必要があると判断したとみられる。【河慧琳、井土映美】