(CNN) フィリピンの首都マニラで11日に逮捕されたロドリゴ・ドゥテルテ前大統領(79)が、国際刑事裁判所(ICC)本部にあるオランダのハーグに移送された。前大統領は何千人もの市民を死亡させた残忍な麻薬撲滅政策をめぐり、人道に対する罪に問われている。 フィリピン政府によると、ドゥテルテ前大統領は11日遅くチャーター機に乗せられ、12日にオランダに到着した。末娘のベロニカ・ドゥテルテ氏はインスタグラムに「彼らは父の健康状態も考慮せず、強制的に飛行機で連れ出した」と書き込んだ。 ドゥテルテ前大統領の娘でフィリピン副大統領のサラ・ドゥテルテ氏はフィリピン・スター紙に声明を寄せ、「父は今日、ハーグへ強制連行される。これは正義ではない。抑圧であり、迫害だ」と訴えた。12日にはサラ氏もオランダへ向かうと記者団に語っている。 FlightRadar24によると、ドゥテルテ前大統領の搭乗機はドバイを経由して、オランダのロッテルダムに現地時間の12日午後5時ごろ到着した。 ロイター通信によると、ドゥテルテ前大統領は経由地のドバイで医療チェックを受けた。 ICCは12日の声明で、前大統領の身柄引き渡しを受けたと発表。審理は「いずれ」行われるとしている。 ドゥテルテ前大統領は11日に香港から帰国したところをマニラの空港で逮捕された。ICCは同日、2011年11月から19年3月16日までの行為が殺人に当たるとして、人道に対する罪で逮捕状を出していたことを確認した。