在任中の「麻薬戦争」を巡り、逮捕、移送されたフィリピンのドゥテルテ前大統領(79)がICC=国際刑事裁判所の審理にオンラインで出席しました。 フィリピン ドゥテルテ前大統領 「私はロドリゴ・ロア・ドゥテルテです。ミドルネームはロア、姓はドゥテルテです。生年月日は1925年3月28日です。フィリピンのレイテ島で生まれました」 ドゥテルテ前大統領は、フィリピン南部のダバオでの市長時代や大統領だった2011年から2019年にかけて、「麻薬戦争」と呼ばれる強硬な取り締まりで多くの密売人や中毒者らを殺害した「人道に対する罪」に問われています。 11日にフィリピンで逮捕され、翌日、逮捕状を出したICCのあるオランダ・ハーグに移送されました。 ドゥテルテ氏は移送が長時間だったことなどから、ICCの許可を得て、14日にオンラインで審理に参加しました。 14日には、公判の開始に向けた手続きとして、名前の確認や起訴内容の説明などが行われ、罪状認否の機会はありませんでした。 今回の逮捕と移送についてドゥテルテ氏側は「外国勢力への引き渡しは国の主権の侵害だ」と反発しています。 14日の審理でも、ドゥテルテ氏の弁護人が、「主権国家の元大統領の誘拐であり、政治的な行為だ」と非難しました。