(CNN) トルコのイェルリカヤ内相は24日、最大都市イスタンブールのイマモール市長が収監されたことに対する抗議デモを受けてこれまで1000人以上を拘束したと明らかにした。 X(旧ツイッター)への投稿で、同内相は「3月19日から23日にかけて発生した違法行為により、1133人の容疑者を拘束した」と説明。拘束者には12の異なるテロ組織と関連がある人物が含まれていると付け加えた。 エルドアン大統領の政敵とされるイマモール氏は、19日に自宅で拘束されていた。イスタンブール当局は抗議デモを禁止し、一部の道路を封鎖。「公共の秩序を維持」と、「あらゆる挑発行動の発生防止」を目的とする措置だとした。 イェルリカヤ氏によると、120人以上の警官がデモの最中に負傷した。また酸や石、棒、花火、火炎瓶、刃物などを押収したという。 その上で同氏は、野党への警告とみられるコメントの中で、自分たちの政治的野心を実現するために若者などを利用しないよう呼び掛けた。 エルドアン氏は24日の記者会見で、最近の抗議デモを「暴動」と形容。デモ中に生じた物的損害や警官の負傷の責任は全て最大野党の共和人民党(CHP)にあると強調した。 CHPのオゼル党首は24日、CNNの取材に答えてエルドアン氏を非難。「トルコを非合法の道に向かわせようとしている」と述べ、イマモール氏の逮捕に抗議する人々は、民主主義と自分たちの権利を守りたいだけだと主張した。 デモはここ数日、イスタンブールや首都アンカラをはじめとするトルコの各都市で起きている。 エルドアン氏の最大の政敵と目されるイマモール氏が拘束されたのは、次期大統領選でCHPの候補者に指名される数日前のことだった。大統領選は2028年に予定されている。イマモール氏は23日、汚職の容疑で正式に逮捕された。 同氏と関係のある政治家など約100人も拘束されている。 イマモール氏は容疑を否認している。批評家からは今回の逮捕について、権威主義的な傾向を強めていたトルコにとって完全な独裁政治に陥る恐れのある危険な転換点となり得るとの指摘が出ている。