トランプの「国力低下」政策が止まらない!…世界トップクラスの大学を「潰したがる」理由

アメリカの国力を低下させるため、敵対勢力がホワイトハウスに通ずるパイプを確保し、米政府の政策に影響を及ぼそうとする。いや、もっと直接的に、大統領の頭の中にアメリカを凋落させるアイデアを吹き込もうとする……。 もしそうなったら、敵対勢力はどんなアイデアを吹き込むだろう。 アメリカの国力を支える要因は多くあるため、敵対勢力はどこから手を付けたらいいか迷うはずだ。 まずは移民・難民など多様な人々を受け入れるアメリカ社会の懐の深さ。長い目で見れば、それが米経済の繁栄をもたらしている。これを打ち壊すには、排外主義や偏見をあおる政策が有効だろう。多様性・公平性・包摂性(DEI)の取り組みを撤廃するのもその1つだ。 領土拡大を目指す権威主義国家の侵略に苦しんでいる国(しかも、アメリカと長年同盟を組んできた欧州諸国の隣に位置する国だ)への支援を突然打ち切ることも、国際社会におけるアメリカの評判を落とすのに役立ちそうだ。 「戦争を始めたのはロシアではなく、ウクライナだ」と発言することもそう。 さらには人権理事会やWHO(世界保健機関)などの国連機関から離脱すること。トランプ米政権のこの決定も、人間の尊厳と自由を守る闘いや人類を脅かす感染症との闘いで「アメリカは指導力を発揮しない」という宣言になる。 米国際開発庁(USAID)の閉鎖も敵対勢力を喜ばせる決定だ。技術支援や資金供与で貧しい国々の経済開発を助けてきたUSAIDは、アメリカのソフトパワーの増強にも役立ってきたからだ。 太陽光・風力など再生可能エネルギー源の開発を阻害し、化石燃料生産を加速させる政策もアメリカの凋落を招く。それにより国内に深刻な環境破壊が広がるばかりか、未来の経済的繁栄と競争力強化に欠かせない再生可能エネルギー部門でアメリカは他国の後塵を拝すことになるためだ。 敵対勢力がトランプに吹き込むアイデアはまだまだある。 米国立衛生研究所(NIH)など、医学研究におけるアメリカのリードを支えてきた主要機関を弱体化させるのもその1つ。 アメリカの研究チームはNIHの助成を受けて、驚異的な速さでmRNAワクチンの開発に成功し、新型コロナ封じ込めで世界を牽引したが、アメリカは今後こうした偉業も達成できなくなる。 アメリカを凋落させるアイデアは数々あり、大統領の頭にそれらを吹き込もうとする敵対勢力は途中で疲れてしまいそうだ。 けれども心配無用。ドナルド・トランプ米大統領は彼らにたき付けられずとも、そうしたアイデアを着々と実行に移している。しかも今の米政権にはそれを制止しようとする動きは皆無だ。

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