参政党と日本保守党が選択的夫婦別姓や北朝鮮による日本人拉致で国政の議論を牽引(けんいん)しようとしている。所属議員はそれぞれ4人、3人と少なく、法案提出はおろか代表質問や予算委員会で石破茂首相に直接質問する機会は得られていない。一方、委員会質疑や、与党議員が慣例で扱わない質問主意書を活用し、外国人問題など「腫れ物に触るような問題」(参政党の神谷宗幣代表)に課題があれば切り込んでいる。 「われわれだけの力ではない。ただ、誰も声を上げていない段階で『問題だ』とずっと言ってきた。自民党の保守派も動いてくれて、流れが一つできたかと感じている」 参政党の神谷代表は26日の記者会見でこう述べ、選択的夫婦別姓を導入した際の「デメリット」について早期に声を上げた自負をにじませた。同党は令和2年の設立以来、夫婦別姓導入に反対の立場を取っている。 現在争点の一つに浮上している「子の姓」の問題については、当選1回の吉川里奈衆院議員は昨年12月18日の衆院法務委で「姓を選択できるのは夫婦だけだ。子供は選択の自由が奪われる。『必然的親子別姓』という課題が生じる」などと問題視した。後方の席からはヤジや笑い声も上がったという。 ■神谷氏「問題が大きいから声上げる」 「子の姓」の問題に関して当時、自民党の山下貴司元法相が12月5日の衆院予算委で提起した位だったが、今年に入ってから懸念する声が高まっている。 吉川氏は夫婦別姓を巡る世論調査についても「賛成」「反対」の2択だと「賛成」が多く、「賛成」「反対」「旧姓通称使用」の3択だと現行維持派が多数を占める傾向を挙げて疑問視した。最近は報道機関の世論調査も2択を回避する事例も増えている。 参政党は外国人問題に力を入れる。 神谷氏は26日の会見で「土地は買われ、企業は買収され、犯罪はあってもなかなか起訴されず、オーバーツーリズムも問題だ」と語り、「『人権問題だ』という人がいるので触りにくいと思うが、問題は起きている。放置するわけにはいかない」と強調した。 ■百田氏「是正に向かいつつある」