「ねぇ、遊ぼうよ」 自転車に乗って背後から近づいた男は、若い女性に声をかけた。女性は誘いを無視。激高した男は女性に抱きつき胸や尻を触った――。 警視庁蒲田署は10月25日までに、不同意わいせつの疑いで東京都大田区に住む会社員・日吉浩陽容疑者(24)を逮捕した。今年8月の夜、JR蒲田駅近くの歩道で20代の女性に後ろから抱きつくなどしたとされる。調べに対し日吉容疑者は「弁護士に相談したい」と認否を留保しているという。 「女性は勤務先から帰宅する途中でした。日吉容疑者は犯行後、乗っていたスポーツタイプの自転車で逃走。防犯カメラの映像などから逮捕にいたりました。現場周辺では8月から9月にかけ、同様の事件が複数発生している。警察は日吉容疑者に余罪があるとみて、捜査を進めています」(全国紙社会部記者) ◆好みの女性を物色 最近、深夜の路上でのわいせつ事件が多発している。今年起きた主なトラブルを以下に紹介したい。 ・7月、強制わいせつの疑いで30代の男Aが逮捕された。Aは6月の深夜1時ごろ、板橋区内の路上で女子大生に抱きつき性的暴行を加えようとしたとされる。Aは好みの女性を物色し女子大生を尾行。背後から迫るAに気づき恐怖を感じた女子大生は走って逃げるが、Aに追いつかれ胸などを触られたという。押収されたAのスマートフォンから見つかった女性の盗撮画像は100本以上。調べに対し「衝動に支配されていた」と話している。 ・8月、警視庁は50代の男Bを逮捕する。練馬区内の路上で自転車同士が衝突し、乗っていたBと10代の女性が転倒。女性は「すいません」と謝るとBは「大丈夫だよ」と一旦は立ち去るも、すぐに女性を追いかけ「自転車のカゴが壊れてしまった」と詰め寄る。さらに女性を近くの駐車場に連れ込み「体で払ったらチャラにしてやる」と、わいせつな行為に及んだ。Bは「間違いありません」と容疑を認めている。 深夜の路上わいせつ事件が続発する背景には、どんな事情があるのだろう。 「容疑者が犯行に及ぶ場所は自宅近くが多い。土地勘があるため逃亡しやすく、深夜なら人通りが少ないためです。女性は深夜の一人歩きをなるべく避けるのはもちろんですが、不安を感じたら24時間営業しているコンビニなどに入ってください。不審者が立ち去らないようなら店員に相談し警察に通報すべきでしょう」(同前) 多くの容疑者が同様の犯行を繰り返すのも、深夜のわいせつ事件の特徴の一つとされる。