プレサンス訴訟、元社長が控訴 「これでは違法な取り調べ許される」

大阪地検特捜部の業務上横領事件で無罪となった不動産会社「プレサンスコーポレーション」元社長・山岸忍さん(62)が国に賠償を求めた訴訟で、山岸さん側は31日、請求を退けた一審・大阪地裁判決を不服として、大阪高裁に控訴した。 原告代理人の中村和洋弁護士は会見を開き、「この国の将来への不安を感じさせる、正義に反する判決だった」という山岸さんのコメントを紹介。「このままでは、明らかに違法な取り調べがあっても許されるということになる。何が何でも覆す」と話した。 地裁は「山岸さんの共謀」を否定する元部下の取り調べで、検事が机をたたいて「検察なめんな」などと怒鳴ったのは「著しく不適切」と指摘した。一方で、ほかの証拠を踏まえれば逮捕・起訴の判断が不合理だったとまでは言えないとした。 この事件では、学校法人から土地取引を巡り21億円を着服したとして、法人の元理事長らの有罪が確定した。山岸さんも元部下の「共犯供述」を根拠に逮捕・起訴されたが、元部下らへの取り調べを録画した映像などをもとに、地裁で無罪が確定した。

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