尹錫悦大統領の運命を決める2つの基準「憲法守護の意志・国民の信任」

韓国憲法では、弾劾訴追議決の要件を「憲法や法律を違反したとき」と決めている。憲法裁判所は弾劾事件を進めるなかで、違憲・違法行為に加え「重大性」まで認められてこそ、罷免に至ることが可能となるという判例を確立した。法曹界では、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が宣言した12・3非常戒厳の違憲・違法性は明白であるため、憲法裁判官がその重大性をどう判断するかがカギだとみている。 これに先立ち憲法裁判所は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領と朴槿恵(パク・クネ)元大統領の弾劾裁判を通じて、違憲・違法行為の「重大性」を、「憲法守護」と「国民の信任」の観点で改めて分けて判断した。2004年に棄却された盧武鉉元大統領の弾劾事件の場合、憲法守護の観点での重大性が認められなかった。当時の憲法裁判所は、総選挙を控えた状況のもと、与党支持を訴えた盧大統領の行為が政治的中立性違反ではあるが、憲法守護の観点では重大性は低いと判断した。憲法裁判所は「具体的な法律違反行為に、憲法秩序に逆行しようという積極的な意志を認められないため、自由民主的な基本秩序に対する脅威とは評価できない」と明らかにした。 朴槿恵元大統領は、2つの重大性の基準を両方とも満たしたケースだ。2017年の憲法裁判所は、「朴大統領がチェ・スンシル氏の国政介入を許容した行為は、法治主義の精神を損なうものであり、大統領としての公益実現の義務を重大に違反した」ものであり、「1回目の国民に向けての談話で行なった謝罪は、客観的事実と合わないなど真正性が足りず、(談話の内容とは違い)捜査に応じない行為などは、国民の信任を裏切った行為」だと判断した。憲法守護と国民の信任の観点で違法行為が重大だということだ。特に、朴元大統領弾劾事件において、捜査拒否が重大な違法行為と判断されたことを踏まえ、尹大統領の逮捕令状執行拒否や大統領室の押収捜索拒否などを、憲法裁判所がどのように判断するのかについて関心が集まっている。 先月24日、憲法裁判所はハン・ドクス首相の事件で、マ・ウンヒョク裁判官の任命拒否は違憲であり、「憲法秩序に及ぼすことになった否定的な影響と波及効果は重大だ」として、憲法守護の観点で違憲行為の重大性があると判断した。それでも、憲法裁判所は「(ハン首相の違法行為が)任命権者である大統領を通じて間接的に付与された国民の信任を裏切ったケースに該当すると断定することはできない」として、棄却を決めた。首相として受ける国民の信任に背くとするには、違法行為が重大ではないという趣旨だった。国民の直接投票によって選出された大統領には、首相よりも国民の信任を裏切ったという要件を幅広く適用しうるという意味でもある。 憲法研究官出身である建国大学法学専門大学院のスン・イド教授は2日、ハンギョレの電話取材で「尹大統領は非常戒厳という超憲法的な国家緊急権の行使を通じて権力を非正常的に掌握しようとし、国会に軍の兵力を投入し、民主主義憲法を後退させる行為に及んだ」として、「これは憲法守護の意志がなく、国民の信任に反する行動であり、罷免の理由になりうる」と述べた。 オ・ヨンソ記者 (お問い合わせ [email protected] )

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加