4月8日に起きた女優・広末涼子の深夜の暴行事件が波紋を広げている。広末は新東名高速道路で運転中に追突事故をおこし、島田市の病院に救急搬送された。病院で治療を待っていた際、看護師の女性の腕を引っ掻いたり蹴ったりし、けがを負わせた疑いで逮捕された。 「公式サイトでは『事故後、搬送された病院で一時的にパニック状態に陥り、医療関係者に怪我を負わせた』と説明され、あわせて芸能活動の自粛も発表されています。 『静岡第一テレビ』によると、広末容疑者は事故前に立ち寄ったサービスエリアで知らない人に声をかけ、体を触わったり大声をあげたりしていたといいます。 また、『スポーツ報知』によれば、広末容疑者は当初、アルコール検査ができる状態ではなかったようです。一方、『スポニチ』では、アルコール検査は問題なかったものの、今後、薬物検査を実施する、と伝えられています。 いずれにせよ、広末さんが通常の状態でなかったのは間違いなさそうです」(芸能担当記者) こうした異常な行動について、五良会 竹内内科小児科医院院長の五藤良将医師は、こう語る。 「今回のように、病院で突然暴れ出す患者さんは実際にいますよ。こうした患者さんに多いのは、“薬物使用中” “アルコール中毒” “メンタルの急性悪化” のいずれか、または複合的なケースです。 患者さんが、過度なストレスや睡眠不足、薬の乱用などで暴力的になることは、決して珍しくありません。 薬といっても、違法薬物だけではありません。抗不安薬や睡眠薬のなかには、逆説的な反応として不安や興奮、暴力行為が出るケースが報告されています。ほかにも、花粉症の薬で『せん妄』を起こすことも稀にあります。また、前日に飲んだ睡眠薬の作用が、長時間メンタルに影響を及ぼしている可能性もあります」 前述のとおり、広末の事務所は謝罪文で「一時的にパニック状態に陥った」としているが、五藤医師は、この状況について、医学的なアプローチが必要な可能性が高いと指摘する。 「薬のせいではなく、心の不調によりパニックが起きたとすれば、やはり治療が必要な状態でしょう。“芸能人の奇行” と一括りにするのではなく、こうした行動が疾患のサインである可能性もあることに、社会全体として理解を深めることが必要です」 広末といえば、これまでもたびたび “奇行” で話題になってきた。 「映画『WASABI』の記者会見で突然泣き出し、その後に予定していたCMの公開取材をキャンセルしたこともありますし、FRIDAYに『タクシー150キロ無賃乗車』が報じられたこともあります。 これまでは “天然” “自由奔放” と称されてきた言動の裏に、もしも深刻な健康上の問題が潜んでいたのだとすれば、治療に向けて歩みを進めるしかないでしょう」(前出・芸能担当記者) 芸能界きっての個性派女優が巻き起こした深夜の騒動。真相が明らかになるまで、まだ時間がかかりそうだ。 取材/文・吉澤恵理(医療ジャーナリスト)