女優・広末涼子容疑者(44)が8日、静岡県島田市の病院で看護師を蹴るなどしてけがを負わせたとして、静岡県警掛川署に傷害の疑いで現行犯逮捕された。7日に交通事故を起こし、搬送先で暴れた疑い。所属事務所は公式サイトで謝罪し、芸能活動の自粛を発表した。同容疑者は取り調べ中に大声を出すなど不審な動きもあることから、捜査関係者は薬物検査を行う可能性も言及した。9日にも検察庁に送致される。 広末容疑者には2020年1月と22年4月にインタビューしたが、自分の気持ちに素直な人という印象だ。必要以上に良く見せようと背伸びをしたり、取り繕うことなく、思うままに言葉を発していた。豊かな感情表現は女優としての武器でもあると思っていた。 「若い頃は『オバサンになったら芸能界を辞めよう』と思っていた。『劣化したね』と言われるのが嫌だから。でも、あの頃思っていたオバサンの年齢はすでに超えました」と記者を笑わせ、「子供には泣かされることが多くて、運動会で真っすぐ走っただけで泣いちゃいます」など親バカな一面も。さらに「20代半ばに信頼していた人に裏切られて、芸能界の嫌な部分を思い知らされた」と闇の部分も包み隠さず明かした。 素直さは、後先考えずに我を貫く頑固さとも表裏一体だ。23年に発覚し、現在も交際中とされる有名シェフとの不倫騒動では、週刊誌の記者に直接、電話で抗議したことも。当時の所属事務所からは無期限謹慎処分を受けたが、独立により処分を自ら解除。強行突破する形で活動再開を宣言したが、望むようなオファーは少なく、女優復帰は果たせていない。 独立後、人間性を理解した上でトラブルを未然に防ぎ、いざという時にサポートしてくれるスタッフが不在になった。3月29日に出演した台湾最大級の音楽フェス「Megaport Festival」では、「大スキ!」など自身の持ち歌だけでなく、平井堅の「POP STAR」などカバー曲も披露。不安定な音程に加えて高音で声がかすれ、ボイストレーニングなど準備不足を露呈した。 今回の逮捕によって、広末の置かれた状況が白日の下にさらされた。それを象徴するのが前代未聞の「自称・広末涼子逮捕」という報道。女優復帰はさらに難しくなった。(有野 博幸)