テコルカ(CNN) 米国から中米エルサルバドルの悪名高い巨大刑務所「CECOT」に強制送還された男性たちは、有罪となったギャングと「同じ」環境下で生活している──。刑務所長のベラルミノ・ガルシア氏は8日、CNNの取材にそう語った。CNNは直近の輸送機の到着以降、米国の報道機関として初めて同施設内を訪れた。 ガルシア氏は、送還者についての詳細は語らなかったが、送還者が施設内にいることは認めた。さらに「特別扱いは一切ない」と強調した。 これはつまり、送還者の頭髪はそられ、最大100人を収容する共同房に23時間半閉じ込められていることを意味する。情報筋2人がCNNに語ったところによれば、送還者に対する管理は多少緩やかではあるものの、施設の構造は全く同じだという。房内にはプライバシーはなく、マットレスも枕もない金属製の多段ベッドが並ぶのみだ。 トランプ米政権によって、ベネズエラのギャングの「トレン・デ・アラグア」または「マラ・サルバトルーチャ(MS13)」の一員とみなされた人物約278人が、エルサルバドルへ強制送還された。 ただし、その中には、米メリーランド州在住で3児の父でもある板金工のキルマー・アルマンド・アブレゴ・ガルシア氏も含まれていた。同氏は「行政上の手違い」により誤って送還されたという。 同刑務所の正式名称は「テロリスト監禁センター」で、CNNは送還者が収容されている第8区画への立ち入りは認められなかった。 ガルシア氏は、個々の送還者についての詳しい情報は把握していないとし、それ以上のコメントを控えた。 ガルシア氏は、エルサルバドル人の受刑者が裁判に出廷する場合、どのように対応できるのかについては説明に応じた。 受刑者は、武装した職員に連れられて共同房から移送され、ビデオ会議システムが整備された部屋へ入れられる。モニターには、弁護士や裁判官が出席する法廷の様子が映し出されていた。 刑務所には、有罪が確定した者と、裁判が継続中の被告の両方が収容されている。エルサルバドルでは長期間にわたる非常事態宣言のもと、多くの憲法上の権利が停止されており、ブケレ大統領も一部には誤認逮捕があったことを認めている。これまでに数千人が釈放されている。