商品をクレジットカードで購入させ、キャッシュバックとして現金を貸し付ける「カード現金化」という手法で、実質的にヤミ金融業を営んだとして、警視庁生活経済課が、決済代行会社「BPMH」(東京都港区)役員、福井達(さとる)容疑者(45)ら男性13人を出資法違反(超高金利など)の疑いで逮捕したことが捜査関係者への取材で判明した。 捜査関係者によると、福井容疑者らは、すぐに現金がほしい客らに「パワーストーン」と称する天然石を購入させ、代金から利息分を差し引いて貸し付けていたという。2017年6月からの約7年間で、全国の約1万7000人に計約85億8700万円を貸し付け、利息として約25億円を得ていたとみられる。 逮捕容疑は24年3~5月、京都府の男性ら5人にカード決済でパワーストーンを計437万9400円で購入させ、計339万3500円をキャッシュバックして法定金利の最大約52倍で貸し付け、計約98万円の利息を受け取ったとしている。 福井容疑者らは「スペシャルクレジット」「ワールドクレジット」といった名称の七つのウェブサイトを開設。「最大換金率100%」「最短5分スピード振り込み」とうたい、借金があっても無審査で手続きができると宣伝していた。多重債務者らが利用していたという。 「カード現金化」は、消費者金融の規制を強化した改正貸金業法が成立した06年以降に急増していた。日本クレジット協会(JCA)は「カード会社は換金目的のカード利用を認めておらず、利用者本人が犯罪に問われることもある」と警告している。【菅野蘭、加藤昌平】