「パワハラ」で市長失職の秋田県鹿角市長選告示 前職と新人4人が立候補

市長失職に伴う秋田県鹿角市長選が20日告示され、前市長と新人4人の計5人が立候補した。投開票は27日。 立候補を届け出たのはいずれも無所属で、元市議の笹本真司氏(39)、IT技術者の奈良大気氏(40)、元市議の金沢大輔氏(51)、元文部科学省職員の藤井陽光氏(77)の新人4人と、前職の関厚氏(71)。 5人はいずれも人口減少対策としての地域経済活性化や子育て支援などを公約に掲げる。 加えて、笹本氏は失職につながった市長と議会の関係修復と構築を、奈良氏はITを活用した若者が魅力を感じる鹿角市の実現、金沢氏は農業の再生や起業などで挑戦する若者への支援を、藤井氏は若者定着と産業活性化のための市内への大学誘致、関氏は、汚職で有罪となった元市長時代からの市政の改革を訴える。 鹿角市では児玉一・元市長の4期限りでの引退を受けた令和3年6月の市長選で、元市長の事実上の後継者で市議の多くが支援した候補者を関氏が制して初当選。児玉元市長は4年1月、在任中の官製談合防止法違反容疑などで逮捕され、同7月に秋田地裁が同罪で懲役3年、執行猶予4年を判決している。 汚職の舞台となった道の駅の改革などをめぐり議会が関氏と対立。汚職に関連した部署の職員から関氏が聞き取りを行った際に「パワハラがあった」と議会側が指摘し、設置された第三者委員会が今年1月にパワハラ発言12件を認定した。 これを受けて議会は賛成多数で市長不信任を決議したが、関氏は辞職せず議会を解散。市議選はもともとの任期満了に伴う日程で3月に行われ、21日に開かれた改選後の本会議で2度目の市長不信任が賛成多数で決議され、関氏は同日限りで自動失職した。 19日現在の選挙人名簿登録者数は2万3827人。

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