「シックス・センス」の元天才子役、ユダヤ人への差別的発言を謝罪

大ヒット映画「シックス・センス」で「死者が見える」少年を熱演し、世界中の観客を魅了したハーレイ・ジョエル・オスメントが、再び世間の注目を集めている。だが今回は演技での快挙ではなく、公共の場での酩酊による逮捕、そして警察のボディカメラに記録されたユダヤ人への差別的発言により、批判の的となっている。 米ロサンゼルス・タイムズ紙が報じたところによると事件は4月15日、カリフォルニア州マンモスレイクスで発生した。警察は、公衆に迷惑をかけるほどの泥酔状態だったオスメントを逮捕。同州では、公共の場での酩酊は他者への迷惑行為や秩序を乱す行為として違法とされる。 さらに深刻な事態として、逮捕時の警察のボディカメラ映像に、オスメントがユダヤ人に対する侮蔑的な発言をしている場面が収められていたことが明らかになった。 事件後、釈放されたオスメントは即座に声明を発表。「酔っ払っていたとはいえ、自分の行動と発言は容認できるものではありません。すべてのユダヤ人コミュニティに対し、心から謝罪します」とコメントした。 オスメントは弱冠10歳で出演した「シックス・センス」で、その迫真の演技により第72回アカデミー賞助演男優賞にノミネート。その後も「ペイ・フォワード 可能の王国」(2000)、スティーブン・スピルバーグ監督の「A.I.」(01)など大作映画に出演し、神童として注目を集めた。 しかし、その輝かしい経歴とは裏腹に、成長後は苦難の道を歩んでいる。06年には飲酒運転による事故で有罪判決を受け、保護観察3年、アルコール教育プログラムへの参加、1500ドルの罰金を科された過去がある。 ハリウッドには、マコーレー・カルキンやドリュー・バリモアら子役として華々しくスタートしながら、後にアルコールや薬物問題に苦しむ元スターの例は珍しくない。 ただ、今回の事件は従来の飲酒トラブルに加え、人種差別的発言という新たな問題を露呈させた点で、より深刻だ。SNS時代において、こうした発言は瞬時に拡散され、社会的制裁を招く可能性が高い。現在はアニメーション声優を中心に活動を続けているが、今回の事件が与える影響と、社会からの信頼を取り戻せるかに注目が集まる。

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