民主主義の破壊、受け入れない Xを止めたブラジル最高裁長官の思い

ブラジル最高裁判所のルイス・バローゾ長官がこのほど、東京都内で朝日新聞のインタビューに応じた。最高裁は昨年8月、イーロン・マスク氏が所有するX(旧ツイッター)のサービスを1カ月超停止させたが、バローゾ氏はXについて「『表現の自由』を不適切に行使していた」と述べ、偽情報対策が不十分だったとの見解を示した。 バローゾ氏は2013年、左派のルセフ大統領(当時)に指名され最高裁判事に就任。23年9月から長官を務めている。 左右の対立で政治が分極化するブラジルでは、23年1月、前年の大統領選での敗北を認めない右派のボルソナーロ前大統領の支持者が大統領府や最高裁を襲撃。その後もSNS上では左右による虚偽情報が飛び交った。 ブラジルの裁判所は職権で捜査を指揮することができ、襲撃事件では支持者の逮捕を命令。昨年8月、虚偽情報が拡散するXは「無法地帯」だとするなどして、強制停止を命じた。マスク氏は「検閲だ」と強く反発したが、対策を講じることを約束して停止措置は解除された。Xは現在、約束を履行しているという。

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