トランプ政権の大学攻撃の本質と大学の矜持(上)はこちら 多くの大学がトランプ政権の攻撃に苦慮する中、コロンビア大学は政府の要求を丸呑みする形で助成金の凍結を回避した。他方、ハーバード大学は政府の要求をすべて拒否し、徹底抗戦の構えを見せている。両大学ともリベラル派を代表する大学だが、その対応が大きく分かれたのはなぜか。まず、コロンビア大学の状況を分析する。 ■「反ユダヤ主義」を理由に強硬化する教育省 コロンビア大学はトランプ政権の最初の標的となった。2024年4月、学生団体「パレスチナの正義のための学生」が中心になって、キャンパスに野営地を築き、抗議行動を行い、最終的に逮捕者も出た。そんな状況下、ユダヤ系学生に対するハラスメントが頻発、同時にユダヤ系市民への嫌がらせがアメリカ全土に広がった。トランプ政権による「反ユダヤ主義」排除の政策は、そうした事態を反映している。