2022年度に県が発注した道路補修工事を巡り、現金200万円の賄賂をやり取りしたとして26日逮捕された県職員の男ら3人が、28日送検されました。 県職員の男は別の部署に異動した昨年度も、賄賂をもらった会社と県との間の随意契約に関わっていたことが新たにわかりました。 熊谷記者リポート 「午前8時50分すぎです。収賄の疑いで逮捕された県職員の男を乗せた車が、今、秋田東警察署を出ていきました」 収賄の疑いで送検されたのは、県秋田地域振興局建設部の保全・環境課に所属していた齊藤一人容疑者56歳。 贈賄の疑いで送検されたのは大成産業の社長、長谷川武哉容疑者81歳と潟上市にある大成産業の秋田木材加工センターのセンター長だった御所野富雄容疑者77歳です。 警察の調べによりますと、齊藤容疑者は2022年度の県発注の道路補修工事を巡り、転落防止柵をこれまでの鋼材加工品から大成産業が取り扱う木材加工品に変更し、受注できるよう便宜を図りました。 また、ほかにも県発注の工事の下請け業者として大成産業をあっせん。その見返りなどとして現金200万円を受け取った疑いがもたれています。 県によりますと、齊藤容疑者が県産業労働部公営企業課のチームリーダーだった去年5月、競争入札によらず任意で選んだ相手と契約を結ぶ「随意契約」で大成産業が県が運営する杉沢発電所の管理用道路対策工事を受注していました。 この契約にも齊藤容疑者が関わっていたということです。 随意契約となった理由について県は、緊急を要する工事だったためと説明していますが、大成産業が選ばれた理由については「警察の捜査にかかわる」として公表しませんでした。 県発注の工事をめぐっては、去年8月にも建設部の元職員が業務をあっせんした見返りに現金を受け取っていたとして逮捕され、その後有罪判決を受けています。 2年続けての収賄による県職員の逮捕。 齊藤容疑者が現金を受け取ったとされるのは県秋田地域振興局建設部の保全・環境課に在籍していた2022年度です。 そして去年逮捕された元職員は2022年度当時、齊藤容疑者の部下で、2人は同じ時期に、同じ部署にいました。 県は去年の事件以降、建設部や各地域振興局などの県発注の工事に絡む職員を対象に聞き取り調査を行っていましたが、今回の事件に関することは把握できませんでした。 警察は、齊藤容疑者がほかにも県発注の工事で大成産業をあっせんし、現金のやり取りをしていなかったかなど慎重に調べを進めています。