山田裕貴が主演を務めるミステリー映画「爆弾」が10月31日(金)に全国公開される。このたび、本予告映像と本ポスタービジュアルが解禁された。 ■平凡そうだが狂気を秘めた中年男と刑事の心理戦 原作は呉勝浩氏の同名小説。ミステリーランキング「このミステリーがすごい！2023年版」「ミステリが読みたい！2023年版」でいずれも1位を獲得した同作を実写化する。 物語は、酔った勢いで自販機と店員に暴行を働き、警察に連行された一人の謎の中年男から始まる。男は自らを「スズキタゴサク」と名乗り、霊感が働くと称して都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告。秋葉原での爆破を皮切りに、この後1時間おきに3回爆発すると予知していく。そして、刑事たちの問いかけをのらりくらりとかわしつつ、次第に爆弾に関する謎めいた“クイズ”を出し始める。爆弾の在りかを探す警察と犯人との取調室で行われる先読み不能の謎解きゲームと、東京中を駆け巡る爆弾探しがリアルタイムで進行する、ミステリーとアクションが交差するエンターテイメント作品となっている。 ■追加キャストには坂東龍汰、寛一郎 主演には、映画「ゴジラ-1.0」や月9ドラマ「君が心をくれたから」で存在感を見せた山田裕貴。警視庁捜査一課でスズキタゴサクと真っ向から対峙する交渉人・類家役を熱演する。共演には、連続テレビ小説「虎に翼」で主演を務めた伊藤沙莉が、爆弾捜索に奔走する交番勤務の巡査・倖田役で出演。 さらに、スズキタゴサクの過去を追う所轄の刑事・等々力役に「聖☆おにいさん THE MOVIE～ホーリーメンVS悪魔軍団～」での個性的な芝居が記憶に新しい染谷将太。類家の上司として同じくスズキタゴサクと交渉する清宮役に数々の映画・ドラマの代表作を持つ渡部篤郎。スズキタゴサクは、コメディーからシリアスまで幅広くこなす個性派俳優の佐藤二朗が演じるなど、実力派俳優たちが顔をそろえている。 そして、今回追加キャストとして、ドラマ「ライオンの隠れ家」で自閉スペクトラム症の難役を演じた坂東龍汰が、伊藤演じる倖田の相棒にして同じく交番勤務の巡査長・矢吹を演じ、映画「ナミビアの砂漠」に出演しカンヌ国際映画祭にも登壇した寛一郎が、スズキタゴサクの見張り役を務める刑事・伊勢を演じることが発表された。 また、監督は「キャラクター」「恋は雨上がりのように」「帝一の國」などで知られる永井聡氏が務める。 ■「またあなたの負けだ」佐藤二朗の怪演が光る本予告映像＆ポスタービジュアル 今回解禁された本予告では、警視庁捜査一課の交渉人・類家(山田)の「じゃあ始めましょうかスズキさん、化け物退治を」というひと言から映像が始まる。 酔って逮捕された、どこにでもいそうな中年男・スズキタゴサク(佐藤)。しかし彼は、取り調べの途中で唐突にこう言い放つ。「次は、1時間後に爆発します」。にわかには信じがたいその言葉通り、都内で爆発が発生。警察は、静かに進んでいたはずの取り調べが、一気に緊迫した“タイムリミット付きの攻防”へと変貌したことを悟る。 「爆弾を全て見つけられたら、私の勝ちだ」と語気を強める類家に対し、「面白そうですね」と不気味に笑うスズキ。そしてさらに、爆発が起きてもなお、子どもが駄々をこねるような口調で「爆発したって、別に良くないですか？」とつぶやく。そのふてぶてしくも悪びれない言い方に、思わず「クソが」と吐き捨てる類家。取り調べは、“対話”ではなく、理性と感情の限界を試す心理戦と化していく。 取調室での攻防と並行して、都内各地の爆弾捜査も慌ただしく動き出す。巡査長・矢吹(坂東)とその相棒・倖田(伊藤)は、「有力なタレコミがあった」との情報を手掛かりに、複数の現場を駆け回る。「私も連れてって」と真剣な眼差しを向ける倖田。張り詰める現場の緊張と、2人の信頼が交錯していく。 スズキの取り調べはやがて、ただの尋問ではなく“謎解きクイズ”の様相を呈し始める。類家の上司・清宮(渡部)は「スズキはクロか？」と疑念を抱き、刑事・等々力(染谷)は「無関係はあり得ない。その場所を匂わせている」と断言。類家は「子供が大人をからかう無邪気そのもの」と、その異様な言動の裏を読み解こうとするが、爆弾の行方はつかめないまま。駅のホームや歓楽街、住宅地に至るまで、次々と映し出される爆発の映像。追い詰められた類家の口からは、「このままじゃ負ける」という焦りと絶望の入り混じった声が漏れる。 映像の最後には、全ての感情を飛び越えたような絶叫を見せるスズキ。「あらら、またあなたの負けだ」というスズキのささやき声と、その挑発に、怒りを抑えきれずスマートフォンをたたきつけそうになる類家。がくぜんとする類家の表情を最後に、予告は唐突に幕を閉じる。 また、本予告と合わせて本ポスタービジュアルも解禁。燃え上がる業火と黒煙が渦巻く中、鋭い視線を放ちながら立ち尽くす、類家ら主要キャラクターたち。彼らの視線の先には、取調室の椅子に静かに座るスズキの姿が。そしてポスター全体を覆い尽くすように、「爆弾」の巨大な2文字が映し出されたデザインとなっている。