宮城県岩沼市の海岸で殺害された保育士の女性の遺体が見つかった事件で、警察は21歳の知人の男を死体遺棄の疑いで逮捕しました。事件当日、何があったのか。男の足取りが少しずつ明らかになってきました。 宮城県警 宮澤伸育刑事部長 「本日、死体遺棄の疑いで、被疑者を逮捕しました」 事件は発覚から2週間で急展開を迎えました。4月13日、岩沼市下野郷の海岸で太白区の保育士・行仕由佳さん(35)が胸などを刺されて殺害されているのが見つかった事件。警察は、行仕さんの遺体を遺棄した疑いで、岩沼市土ケ崎4丁目の職業不詳・佐藤蓮真容疑者(21)を逮捕しました。 警察によりますと、佐藤容疑者は12日午後7時40分から午後8時45分ごろまでの間に、遺体を遺棄した疑いがあるということです。 記者リポート 「午後8時半の行仕さんの遺体が発見された現場。警察によりますと、佐藤容疑者はこの時間帯に、行仕さんの遺体を遺棄したということです。周囲には明かりはなく、ライトを消すと、このように周りの状況が分からなくなるほど暗くなります」 人目につかない場所で、2人に一体何があったのでしょうか。警察への取材で佐藤容疑者の足取りが、少しずつ明らかになってきました。 遺体が発見される前日12日の動きはこうです。 12日午後7時ごろ、佐藤容疑者は行仕さんと複数回電話をしていました。その頃、行仕さんは一人で外出しています。 そして、佐藤容疑者は電話をしていた時間帯に、行仕さんの自宅近くを車で訪れていたことが、捜査関係者への取材で新たに分かりました。 その後、行仕さんの自宅から約14キロ離れた岩沼市の海岸近くで、2人の姿が確認されています。 午後7時40分ごろ、一人でいる行仕さんが防犯カメラに映っていました。警察はこの記録が、行仕さんの生存していたことを示す最後の姿だとしています。 その約1時間後の午後8時45分ごろ、今度は佐藤容疑者が一人で車を運転する姿が防犯カメラに記録されていました。 キックボクシングの選手だったという佐藤容疑者。佐藤容疑者が所属するジムの関係者によりますと、佐藤容疑者の試合に行仕さんが観戦に訪れていたこともあるそうです。 捜査関係者によりますと、佐藤容疑者は、過去にも行仕さんとSNSでメッセージをやり取りしていましたが、調べに対し「行仕さんとは知人関係で、交際していない」と話しているということです。 警察は、佐藤容疑者の認否を明らかにしていませんが、殺人の疑いも視野に入れ事件の詳しい経緯を調べています。