東京都目黒区の住宅に侵入しようとしたとして、住居侵入未遂容疑で1日、逮捕された職業不詳の森田元樹容疑者(29)が調べに対し、インスタグラムで融資を申し出るアカウントに接触し、秘匿性の高いアプリ「シグナル」に誘導されたと供述していることが、警視庁捜査1課への取材で分かった。同容疑で逮捕された職業不詳、平野晴也容疑者(23)とは犯行直前まで、面識はなかったとみられるという。 ■応募は後絶たず 「闇バイト」を巡っては昨年、首都圏で連続強盗事件が相次いで発生した。これまで18事件すべてで実行役47人が逮捕された一方で、秘匿性の高い通信アプリの壁に阻まれ、指示役の摘発には至っていない。いまだに闇バイトへの応募は後を絶たず、実行役が〝使い捨て〟にされる実態が浮かび上がる。 「悪いやつならやってもよいだろうと思った」-。闇バイトに応募し、昨年10月に東京都三鷹市の住宅に侵入して強盗未遂罪などで起訴された男は、今年2月の初公判でこう述べた。知人に金を借りたことなどで借金が約200万円にふくれあがり、X(旧ツイッター)で高額バイトを探したという。 男は闇バイトに応募後、秘匿性の高いアプリ「シグナル」で「中」と名乗る人物から「金を持ち逃げしたやつからお金を取り返してほしい」と指示を受けた。執行猶予中だったが「そんな悪い人なら良いという甘えがあった」と犯行に及んだという。 ■類似した手口 一連の強盗事件は、昨年8~11月に神奈川、埼玉、千葉、東京の4都県で発生。未明の時間帯に窓ガラスなどを割って複数人で押し入り、住人を縛って金品を奪うといった荒々しい手口が類似していた。昨年10月に横浜市青葉区で発生した強盗事件では、住人の後藤寛治さん=当時(75)=が死亡した。 凶悪化を受け、4都県警は合同捜査本部を設置。警察庁が対象とする18事件すべてで、現場での犯行や被害品を回収する「実行役」47人(延べ70人)を逮捕した。押収したスマートフォンの解析や被害品の行き先などから首謀者の特定を進めている。 ■新たな手口も