川崎・遺棄事件 遺体は死後に焼損した形跡 隠す目的か

川崎市の民家でバッグの中から女性の遺体が見つかった死体遺棄事件で、遺体は死後に焼かれたとみられる形跡があることが、捜査関係者への取材で判明した。神奈川県警は、この家の住人で元交際相手の白井秀征容疑者(27)=死体遺棄容疑で逮捕=が遺体を隠す目的で焼いた可能性があるとみて追及する。 捜査関係者によると、遺体からは生前にやけどをした場合に見られる気泡などが見つかっていない。発見現場の室内やバッグに焼損の跡は確認されておらず、白井容疑者が別の場所で遺体を焼却後、自宅に持ち込んだ可能性があるという。 女性は岡崎彩咲陽(あさひ)さん(20)で、白井容疑者からストーカー被害に遭ったと訴え、24年12月から行方不明になっていた。 捜査関係者によると、行方不明になった当日の朝、白井容疑者が岡崎さんの勤務先の飲食店に向かうなど、会いに行く動きをしていたことも判明した。失踪後は県警が白井容疑者に対して任意の事情聴取を繰り返していた。白井容疑者は25年3月25日の7回目の聴取でストーカー行為を認めて「(失踪当日も)会いに行った」と話したという。 こうした説明を根拠に、県警は4月30日に白井容疑者宅をストーカー規制法違反容疑で家宅捜索。床下のバッグの中から遺体を発見した。白井容疑者は4月上旬から所在不明となっていたが、5月3日に海外から帰国し、県警は死体遺棄容疑で逮捕していた。 遺体は5日、県警から遺族に引き渡された。遺族は正午前、遺体が安置されている県警川崎臨港署に到着し、泣きながら署を出入りする様子も見られた。遺体を乗せたとみられる車は午後0時35分ごろに署を出発した。 また、県警は5日、白井容疑者を送検した。【宮本麻由、清水夏妃、横見知佳】

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