「逃げるそぶりなく拍子抜け」児童7人重軽傷、男は一方的に社会へ恨みか 取り押さえた男性が状況語る

大阪市西成区で、小学生7人が車にひかれた事件。逮捕された男が一方的に社会へ恨みを募らせ、無差別殺人を思い立った可能性があることがわかりました。 属ちひろ記者 「午前8時半です。矢沢勇希容疑者が送検されます。顔を伏せていて表情は確認できません」 5月3日、殺人未遂の疑いで送検された、東京都東村山市に住む無職の矢沢勇希容疑者(28)。 1日昼過ぎ、大阪市西成区の通学路で下校中の小学生7人をレンタカーでひいて、重軽傷を負わせた疑いがもたれています。 事件直後、矢沢容疑者を取り押さえたのは、大阪府警の元刑事だった学校支援員の男性。読売テレビの取材に応じ、緊迫の一部始終を語りました。 大阪府警の元刑事・学校支援員の男性(70) 「立っていたら、左の方から大きな見慣れない車が走って来た。児童が話しながら行っているのが見えた。車はそっちへ向かって行った。この時はとっさのことで、大きな声で叫んだんですよ『右寄れ、右寄れ』。子どもの何人か、私の声に気づいたんでしょうね、パッと後ろ向いてくれた」 支援員の男性が叫び、児童たちが右に寄った次の瞬間、車は減速せずに突っ込んでいったということです。 男性は「単なる事故ではない」と感じ、運転席に座る矢沢容疑者を引きずり出しました。 大阪府警の元刑事・学校支援員の男性(70) 「これは殺人未遂だと、すぐ分かった。(矢沢容疑者に)お前を殺人未遂で現行犯逮捕すると言った。実際、逃げるそぶりがないんで、拍子抜けしていたんですけど」 放心状態で、抵抗する様子はなかったという矢沢容疑者。 警察の調べに対し、矢沢容疑者は…。 矢沢容疑者 「すべてが嫌になったから、数人の小学生をひき殺そうとした」 「苦労せずに生きている人が嫌だった」 警察は、矢沢容疑者が社会に対して一方的に恨みを募らせ、 無差別殺人を思い立った可能性があるとみています。 また、事件直前の現場近くの防犯カメラには、矢沢容疑者の車が1人で歩く児童の横を通り過ぎる様子が映っていました。あえて集団の児童たちを狙っていたのでしょうか。 被害にあった児童は「学校に行くのが怖く、しばらく休む」と話すなど、心に深い傷が残りました。 大阪府警の元刑事・学校支援員の男性(70) 「ほんま弱者ですよね。それを狙っていくのは、卑劣すぎますよね」 矢沢容疑者は大阪に土地鑑はなかったとみられ、警察は大阪に来た理由や子どもたちを狙った動機を詳しく調べています。

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