警視庁と東京地検の捜査 二審も賠償命令 大川原化工機「冤罪」事件

軍事転用可能な機器を不正輸出したとして逮捕・起訴され、その後に起訴が取り消された「大川原化工機」(横浜市)の社長らが、捜査は違法だったとして東京都と国に賠償を求めた訴訟の控訴審判決が28日、東京高裁であった。太田晃詳(てるよし)裁判長は、捜査の違法性を認めた一審判決と同様、都と国に賠償を命じる判決を言い渡した。 問題とされた機器は、機械メーカーの同社が製造する「噴霧乾燥機(スプレードライヤー)」。 警視庁公安部は2020年3月、この製品は生物兵器の製造に転用可能で輸出規制があるのに、同社が無許可で輸出したとして、外為法違反容疑で大川原正明社長ら3人を逮捕。東京地検は同月に起訴した。 しかし地検は21年7月、「この製品には輸出の許可が不要だった可能性がある」として、初公判の直前に社長ら2人の起訴を取り消した。同様に逮捕・起訴された同社顧問の男性は、勾留中に胃がんが見つかり、起訴取り消しの前に72歳で亡くなった。

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