【すすきの首切断】瑠奈被告の母親浩子被告に7日判決 死体遺棄と損壊ほう助の罪で懲役1年6か月求刑「親としての責任を夫とともに」無罪主張

札幌市の歓楽街すすきのにあるホテルで男性(当時62)が殺害され、親子3人が逮捕・起訴された事件で、死体遺棄と損壊のほう助の罪に問われている62歳の母親に、7日午後、判決が言い渡されます。 この事件は、2023年7月、札幌市中央区のホテルで、会社員の男性(当時62)が殺害され首を切断されたもので、田村瑠奈被告(31)ら親子3人が逮捕・起訴されたものです。 このうち母親の浩子被告(62)は、娘の瑠奈被告(31)が遺体の一部を自宅に置いておくことを容認したなどとして、死体遺棄と損壊のほう助の罪に問われ、検察側は「死体遺棄・損壊ともに犯行を心理的にほう助した」として懲役1年6か月を求刑しています。 ◆父親の修被告は懲役1年4か月、執行猶予4年 父親の修被告(61)について、3月札幌地裁は「瑠奈被告が死体を遺棄することを知りながらそれを容認し、ビデオ撮影で損壊行為も容易にさせた」として、死体遺棄と損壊のほう助の罪を認定。 一方、殺人のほう助については「暴行脅迫など、瑠奈被告が何らかの犯罪行為に及ぶことは認識していたと言えるが、殺人に及ぶことを認識していたとまでは言えない」とし、修被告に懲役1年4か月、執行猶予4年の有罪判決を言い渡しました。 この判決について、検察・弁護側ともに控訴しています。 ◆浩子被告は無罪主張 死体遺棄と損壊のほう助の罪に問われている浩子被告は、「修被告に損壊のほう助が成立するという判決を前提にしても、修被告に撮影を依頼した段階で損壊行為を撮影するとは認識していなかった」などとして無罪を主張しています。 ◆「親としての責任を夫とともに…」3月の論告でメモを読み上げる 3月の論告公判で、浩子被告は声を震わせ涙を拭いながら次のようにメモを読み上げました。 浩子被告(62) 「この度は娘が犯しました重大な事件で、被害者とご遺族の方に心より深くお詫び申し上げます。事件が起きてから逮捕されるまで親として警察に通報することができず、さらに傷つけることになってしまい申し訳ございませんでした」 「世間の人たちにも不安な気持ちにさせてしまいお詫び申し上げます。今後は親としての責任を夫と共に生涯をかけて果たしていきたいと思います」 ◆「なぜ首を拾っただけなのに外に出してもらえない」 1月から2月にかけて行われた修被告の裁判で、浩子被告は弁護側の証人として出廷し、娘の瑠奈被告に対して普段から無理に介入しないようにしていたと明かしました。 また瑠奈被告の弁護士から「瑠奈被告は動機はおろか、自分が殺人を犯したということも言っていない」「瑠奈被告は『なぜ首を拾っただけなのに外に出してもらえないのか』と言っている」と聞いていると証言。 そしてこれまでの裁判で、娘の瑠奈被告を“お嬢さん”と呼んでいた理由について浩子被告は、瑠奈被告が18歳ごろ「瑠奈は死んだ」と言い始めたため、「間違えると怒るので便宜上そう呼んだ」と説明。 瑠奈被告には自傷行為があり、18歳の頃には「ジェフという愛する人と同じ顔になりたい」という理由で、口の端から耳にかけて切ることもあったと明かしていました。 ◆「頭を持って帰って来た」 浩子被告は、これまでの裁判で、事件のあと、帰宅した瑠奈被告は普段と変わらない様子で「頭を持って帰ってきた」と説明。浩子被告は「気持ち悪いことを言ってるな」と感じたものの「何のことを言っているのだろうと。人を殺したとは考えませんでした」と述べていました。 ◆浴室で切断された頭部を見せられ「地獄がここにある」 その後、瑠奈被告から「ちょっと来てみて」と言われ、浴室で切断された男性の頭部を見せられた時には「地獄がここにある」感覚だったと振り返りました。浩子被告は「娘の内心が分からなくて、これ以上壊れないように、動揺してないように振る舞った」と話し、「すごいね」と一声かけたかもしれないと証言していました。 ◆事件後も普通の生活 警察がすぐに来るだろうと思っていた浩子被告は「異常すぎることをしているけれど、一見落ち着いている娘をそのままにしよう」として自ら警察に通報することは考えなかったと説明。 検察側は浩子被告に対し、瑠奈被告が事件前に男性とトラブルになり「絶対に見つけて仕返しをする。殺してやる」と言ったのではないかと指摘すると、浩子被告は「そういうことだ」と認めています。

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