名古屋市発注の観光プロモーション事業に関する随意契約で便宜を図った見返りに賄賂を受け取った疑いが強まり、愛知県警は8日、元同市観光交流部担当課長の大塚勝樹容疑者(62)を収賄容疑で逮捕した。また大塚容疑者に賄賂を渡したとして、広告会社「ニック」(同市)の取締役桑原清美容疑者(54)も贈賄容疑で逮捕。捜査関係者への取材で分かった。 捜査関係者によると、大塚容疑者が名古屋市で観光プロモーション担当の課長などに就いていた2023~24年、ニックへの業務委託の随意契約を繰り返し、その見返りに現金を受け取った疑いがあるという。賄賂の額は数十万円にのぼるとみて、県警は2人の関係などを詳しく調べる。 名古屋市によると、大塚容疑者は20年4月に、5年の任期付きで課長級職員として採用され、今年3月末に任期満了で退職していた。観光交流部の担当課長を務め、観光プロモーションのイベントの実施などを担当していた。名古屋市に採用される前は、鳥取市や滋賀県草津市などで勤務し、民間企業でも働いていたという。(高橋俊成)