対馬市の寺から盗まれたあと、韓国に持ち込まれた仏像が13年ぶりに戻り、歓迎の法要が営まれました。 今後は対馬博物館で展示、保管されます。 KTN記者 「仏像を乗せたトラックが今、観音寺に到着しました。檀家の皆さんが拍手で迎えます」 対馬市の観音寺に約13年ぶりに安置されたのは県の有形文化財「観世音菩薩坐像」です。 檀家など約30人が集まり、午後1時からは仏像を歓迎する法要も執り行われました。 檀家(86) 「うれしかったです。もう、うれしかったに限ります」 観音寺・田中節孝 前住職 「やっぱりなんか安心しましたね」「(観音寺にあるのが)とても自然ですよね。非常によかったと思います」 観音寺の村瀬総代長は、盗難された当時、総代長を務めていた父の遺影を手に取材に応じました。 村瀬辰馬 総代長 「『やっと取り戻したよ』って言いたいですね。『よかった、うれしい』と言うんじゃないですか」 仏像が盗まれたのは2012年、窃盗団は仏像を韓国国内で転売しようとしましたが、警察に逮捕されました。 仏像は無事に返るかと思われましたが・・・ ここで現れたのが韓国の浮石寺です。 「仏像は倭寇が朝鮮を襲った際に不当に持ち出したもの」などと所有権を主張し、裁判を起こしました。 2023年、韓国の最高裁で観音寺の所有権が認められたものの、返還までには約13年の歳月がかかりました。 田中節竜 住職 「やっぱり長かったなと。ようやくという思いが一番ですね」 今後も盗難される可能性がぬぐえないとして、仏像は観音寺ではなく対馬博物館で保管される予定です。 檀家 「悲しいです。これだけは。止めることもできないし残念です。きょう(博物館に)行かれるのが」 檀家 「もともとの御本尊様だからね。ここにないということは何の効果・効能もないです」「そやけど仕方がないです、それは。市の方で管理してもらえれば。(それ)しかないですね」 田中節竜 住職 「心の中には観音様がいるんだということを伝えたいですね」 「観世音菩薩坐像」は今月16日から5月15日まで対馬博物館で特別公開される予定です。