「被害者の安全確保を最優先」警察庁が指示 川崎の女性遺棄事件受け

川崎市の住宅で岡崎彩咲陽(あさひ)さん(20)の遺体を遺棄したとして元交際相手の白井秀征容疑者(27)が逮捕された事件では、事件前に岡崎さん側から神奈川県警へ相談が繰り返し寄せられていたことがわかり、同県警は対応が適切だったかどうかの検証を始めた。事件を受け、警察庁は12日に通達を出し、被害者の安全確保を最優先に対処するよう、全国の警察に指示した。 通達では恋愛感情のもつれなどに起因する人身安全関連事案について、「事態が急展開して重大事件に発展するおそれが極めて高い」と指摘。相談者らの心情に寄り添って対応し、安全確保を最優先に対処することが肝要だとした。 警察庁は昨年5月に出した通達で、危険性や切迫性を判断できない場合であっても、被害者を安全な場所へ速やかに避難させたり、身辺の警戒を確実に行ったりするよう指示するなどした。また、被害者に危害が及ぶおそれがあれば、速やかに加害者を呼び出すなどして、事情聴取や指導・警告をすることを求めた。警告などをした後には、報復のおそれを考慮して被害者の保護の万全を図るよう指示した。 警察庁は12日の通達で、こうした通達の内容を改めて確認し、徹底するよう呼びかけた。(板倉大地)

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