オンラインカジノの賭け金などが集まっていた凍結口座から資金を引き出すために、裁判所に虚偽の書類を提出しおよそ5000万円を引き出したとして、オンラインカジノの収益を管理するグループの男3人が逮捕されました。 詐欺などの疑いで逮捕されたのは吉原秀明容疑者(44)、吉井一旗容疑者(53)、高橋一幸容疑者(47)の3人です。警察の調べによりますと、3人は去年6月から9月にかけて、裁判所に虚偽の書類を提出するなどしてオンラインカジノの賭け金などが集まっていた銀行口座の凍結を解除させ、およそ5000万円を引き出した疑いが持たれています。 捜査関係者によりますと、吉原容疑者ら3人はオンラインカジノの収益を管理するグループで利用客の賭け金など、およそ42億円をマネーロンダリングしたとして今年2月に逮捕・起訴されていて、その後の銀行側からの被害相談や捜査の過程で今回の事件が発覚したということです。 凍結されていた口座は高橋容疑者が代表取締役をつとめる実態のない会社の名義で、オンラインカジノの賭け金の資金洗浄=マネーロンダリングで利用されていましたが、3人は共謀して口座名義の会社に貸付金があるとのウソの「支払い督促」を裁判所に提出して強制執行を認めさせる手口で口座の凍結を解除させていたということです。 吉原容疑者と吉井容疑者が「指示役」としてスキームを考案し、高橋容疑者がウソの書類の作成などをした「実行役」とみられています。 警察は、引き出されたカネがオンラインカジノの収益として犯罪グループに流れた可能性があるとみて、実態解明を進めています。 捜査関係者によりますと、ウソの書類を提出して裁判所をだまし、凍結された口座からカネを引き出した事件の検挙は、全国で初めてとみられるということです。