山形県内に住む10代の少女をSNSを使って誘い出し連れ去った疑いで福島市の男が逮捕されました。少女は遺体で見つかっていて、警察は、男が何らかの事情を知っているとみて調べを進めています。男は別の男女4人への自殺ほう助などでも逮捕、起訴されています。 未成年者誘拐の疑いで山形県警に逮捕されたのは福島市の無職、岸波弘樹容疑者、36歳です。岸波容疑者はSNSを通じて知り合った山形県内に住む10代の少女を誘い出し、去年9月、山形市内で車に乗せて連れ去った疑いです。捜査関係者によりますと、少女は去年9月23日に山形県上山市内の山間部でテントの中から遺体で見つかったということです。少女の遺体が見つかったのは空き家の敷地内でした。所有者の男性の息子が不審なテントを見つけたといいます。 ■インタ・少女の遺体を発見した男性の父親 「息子が空き家のそばを車で通りかかった際、テントがあるのを発見。クラクション鳴らしたが誰も出てこなかった」 実は、この岸波容疑者。10代から20代の男女の自殺を手助けしたなどとして、福島県内ではこれまでに複数回、逮捕、起訴されています。福島の一連の事件では岸波容疑者が自殺願望をほのめかす投稿を見つけてそれぞれに接触したことがわかっていて、さらに岸波容疑者は自殺を手助けするための練炭や七輪などを準備していたということです。中には「一緒に自殺しませんか?」などと自殺志願者を装ったやり取りもあったということです。山形県警は岸波容疑者が少女の死亡について何らかの事情を知っているとみて調べています。 岸波容疑者は今回の事件のほかにも複数自殺を手助けしたとして逮捕・起訴されています。岸波容疑者が関与していると思われる事件は去年5月から始まり田村警察署に逮捕された今年1月まで続いています。去年6月には、宮城県の20代男性と埼玉県の10代男性の自殺を手助けしたとされていてこの2人は遺体で見つかっています。また、去年7月には10代の少女を車で連れ去り自殺を手助けしようとしたとされています。そして、こちらが今回。去年9月に山形県内に住む10代の少女を車で連れ去った疑いが持たれています。この少女は遺体で見つかっています。ことしに入り、1月にはいわき市の20代の女性の自殺を手助けしたとされていてこの女性のキャッシュカードを使い現金16万円を引き出して盗んだとされています。捜査関係者によりますとこのほかにも県外の人とSNSで接触していたとみられていて、警察は事件の全容解明に向けて捜査を進めています。また、この問題、SNSのリスクや自殺を考える前に助けを求められる環境づくりについても併せて考えていかなければいけないと感じます。