「昨日2人の首を絞めて殺してしまいました」 こう警察に通報が入ったのは5月9日の午後2時前だ。捜査員が現場に駆けつけると、風呂場に倒れている2人の女性を発見。スグに死亡が確認された――。 5月10日に千葉県警習志野署が殺人の疑いで逮捕したのは、同市内に住む無職・村山雄紀容疑者(45)だ。村山容疑者は前日9日午後にみずから110番通報。「事実だと思います」と容疑を認めているという。 「通報を受けた警察官は、村山容疑者の自宅マンションの浴室洗い場で女性2人の遺体を見つけました。室内には荒らされたような形跡はナシ。服を着たままだった女性2人の首には、絞められたような痕があったそうです。警察の調べに対し、村山容疑者は『母と妹を殺害した』と供述しています。遺体は、村山容疑者の70代の母親と40代の妹と思われます」(全国紙社会部記者) ◆「一人で悩み最悪の事態を」 村山容疑者は、事件現場となったマンションに母親と妹の3人で暮らしていた。犯行動機については、次のような趣旨の供述をしているという。 「母親の介護に疲れました。電気コードで母と妹の首を絞めた」 本誌カメラマンは、5月11日に行われた村山容疑者の送検を撮影。集まった報道陣には鋭い視線を向けていた。 元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が、村山容疑者の心理状況やトラブルの背景について解説する。 「容疑者は、警察に捕まえてもらおうと考え犯行におよんだのかもしれません。介護していた母親だけでなく妹まで殺害して、みずから110番通報しているのですから。無職ということで、困窮した生活と介護でかなり追い詰められていたと思われます。 だからといって、親族2人の尊い命を奪った罪が許されるわけではありません。行政に相談し生活保護申請をするなど、自分からアプローチし状況改善のためにできることがあったはずです。一人で悩み問題が大きくなり、最悪の事態を招いてしまったのでしょう」 警察は、村山容疑者や家族の詳しい生活ぶりについても調べている。