脱走した男は女性をナイフで脅して暴行したわいせつ犯…。2018年に勾留中だった当時30歳の男性被疑者の脱走を許してしまった大阪府警の富田林署。犯人はどんな手口で脱走をはかったのか? 警察がそれを見逃した理由とは? 実際に起きた事件や事故などを題材とした映画の元ネタを解説する新刊『 映画になった恐怖の実話Ⅳ 』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/ つづき を読む) ◆◆◆ 2024年公開の「正体」は一家3人を殺害したとして死刑判決を下された男がある目的のために拘置所を脱獄、名を変え職を変え日本全国で1年以上潜伏生活を続けるサスペンスドラマだ。映画の原作となった同名小説を2020年に発表した小説家・染井為人が本作執筆にあたりインスパイアされた事件がある。2018年に大阪府警の富田林署に勾留中だった当時30歳の被疑者男性が建物から脱走、日本一周旅行中のサイクリストを装い50日間近く逃げ続けた仰天事件。それを許したのは、ありえない警察の怠慢だった。