カンボジアで特殊詐欺 4人を未遂疑い逮捕 中国人と共同で加担か

カンボジアが拠点の特殊詐欺に関与したとして、福岡県警は26日、福岡市博多区諸岡3、会社役員、荒木和志容疑者(31)ら4人を詐欺未遂容疑で同日までに逮捕した、と発表した。うち3人については、福岡県大野城市の会社員男性(29)を詐欺電話をかける「かけ子」としてカンボジアに送り込んだ職業安定法違反容疑でも逮捕した。拠点では日本人と中国人が共同で詐欺に加担していたとみられ、県警は全容解明を進める。 詐欺未遂の逮捕容疑は、荒木容疑者と会社員男性ら4人が氏名不詳者と共謀して2025年1月20日、京都市伏見区の飲食店従業員の女性(36)にカンボジアから電話をかけ、警察官らになりすまして「事件にあなたの口座が使われ、身の潔白を証明するために資金調査が必要」などとうそを言い、現金をだまし取ろうとしたとしている。県警は認否を明らかにしていない。 県警によると、会社員男性は3人の一部から借金をしていて、1月ごろに「返済のためカンボジアで働け」と指示された。仕事内容を告げられないまま3人と共に渡航すると、現地の案内人に首都プノンペンから車で約2時間半の郊外へ連れていかれたという。 そこには2メートル超の塀があり、入り口に拳銃を持った警備員がいた。セキュリティーチェックを経た先に4階建ての建物があり、かけ子とみられる日本人や中国人ら10人程度が滞在。別に指示役もいたという。 会社員男性は一時帰国して県警に自首し3月に逮捕。その後、福岡地検が男性を処分保留で釈放した。県警は3人がかけ子を募る「リクルーター」だったとみている。【栗栖由喜】

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