「殺すということだが唯一の方法だと思ってしまう」未成年の重大な犯行 専門家が語る 背景と未成年のSOSを拾い上げるには…

山梨県南アルプス市の高校生が父親を殺害した疑いで逮捕されましたが、未成年による重大な犯行が全国で相次いでいます。 その背景と犯罪を防ぐためにできることを専門家に聞きました。 5月24日、南アルプス市の16歳の男子高校生が自宅で69歳の父親を刃物で切りつけたとして殺人未遂の疑いで逮捕され、その後父親は死亡し、高校生は殺人の疑いで送検されました。 高校生は両親と3人暮らしで、捜査関係者によりますと幼少期から暴言を吐かれるなど父親に関する家庭環境の不満があったという趣旨の供述をしているということです。 今月は愛知県と千葉県で高校生と中学生がそれぞれ殺人容疑で逮捕されるなど、全国で未成年による重大な犯行が相次いでいます。 山梨大学 教育学部 田中健史朗准教授(心理学): 「人を殺すということだが唯一の方法だと思ってしまう、そういう状態が起きてしまうことがあるんですね」 心理学が専門の山梨大学 教育学部の田中健史朗准教授です。 未成年による重大な犯行が起こる要因の1つに家庭環境の不安定さがあるといいます。 田中健史朗准教授: 「家庭的な部分の不安定さで落ち着いてゆっくり周りのことを見る、ゆっくり考えるということができない環境であれば、他にアイデアがあるにも関わらず、そちらの方に目が向けられなくなって、殺すということだけが唯一の方法だと思ってしまう」 こうした不安定な家庭環境は学校や地域住民など第三者が気づきにくい現状があります。 田中健史朗准教授: 「家族に関わる人たちっていうのが、地域の中にも親族間の中にも減ってきている状況があります。家庭の状況っていうのを第三者が気づくということが難しい状況になっていると思います」 こうした背景の中で未成年のSOSを拾い上げるには自治体レベルでの対策と専門家の活用が重要と指摘します。 田中健史朗准教授: 「こういう風に関われば必ずこれは防げるという方法はない、という限界点も知っておいていただければなと思いますので、抱え込み過ぎないということ専門家を適宜活用していくっていうことが大切かなと思います」

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