韓ドラにハマった夫がこっそり応募!俳優のファンミ通いに、ドラマあるあるを体験するソウル旅…人生後半の家族をつなぐ「共通の趣味」の幸せ【住吉美紀】

フリーアナウンサーの住吉美紀さんが50代の入り口に立って始めた、「暮らしと人生の棚おろし」を綴ります。 前回言及したように、韓国ドラマは、私の心を健全に保つためになくてはならないものになった。しかし、さらに棚卸しを進めてみると、今後の人生を左右するような、意外な波及効果があった。それは「韓国ドラマのおかげで家族円満」である。 韓国ドラマにハマる前から、実は、夫と私の共通の趣味が、ドラマウォッチングだった。結婚した頃から、夕食後にコーヒーを淹れて、「今日は何観る?」なんて言いながら、録画した地上波のドラマや、配信の米国ドラマを一緒に観るのが夫婦の楽しみだった。 そしてコロナ禍から私はすっかり韓国ドラマにハマり、しばらく一人でむさぼるように観ていたのだが、色々なドラマを観るうちに、絶対に夫も好きであろうドラマを多数発見した。夫は刑事ものが大好きなのだが、韓国の刑事ものは、なかなか犯人が判明せず、事件も難解、アクションシーンもド迫力で見応えがあるのだ。しかし当初、夫は韓国ドラマにまったく興味を示さなかった。 「なぜ日本のドラマがあるのに、わざわざ韓国のものを観なくちゃいけないのか」 「言葉がまったくわからない、字幕で面倒だ」と。 私は静かにタイミングを待った。 国内のドラマシーズンの端境期に、観たい米国ドラマもない、となったその時、「今だ!」と繰り出した。 「前に坂口健太郎さん主演の『シグナル』観たじゃない? あれは、韓国ドラマを日本でリメイクしたものだったんだよ。元のドラマは韓国でそもそも大ヒットしたもので、日本のより話にかなりディテールが加わって、ものすごく面白いらしいよ」 「ふーん。じゃあ観てみるか」 とスタートボタンを押すことに成功した。 そのあとは、韓国ドラマが勝手に運んでくれた。私が『愛の不時着』にハマった時と同じように、夫は『シグナル』を観て「えー」とか「どうなっちゃうんだ」とか言いながらすぐにのめり込み、観終わると「(シグナルの主演の一人の)キム・ヘスさんが出ている他のドラマ観てみよう」とか「韓国は検察も逮捕ができるんだね。刑事ものだけじゃなくて、”検察もの”っていうのもあるんだね」とか言いながら、ズブズブと韓国ドラマ沼にハマっていった。 それからは、夕食後に一緒に観るドラマが、韓国ドラマに変わっていった。刑事・検察ものに限らず、医療もの、財閥復讐もの、タイムワープやファンタジーもの、時にはラブコメまで、夫が楽しめるドラマの幅も見る見るうちに広がっていった。私が今のところ観た100本を超える韓国ドラマの半分ほどは、夫と一緒に観たものだ。韓国ドラマが夫婦の会話の大きな割合を占めるようになった。 その後、「夫が私を超えたかもしれない」と思った出来事があった。

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