川崎市の女性遺体遺棄事件をめぐり、神奈川県警トップの和田薫本部長は「重大な事案となったことを重く受け止めている」と述べました。 和田本部長は28日、事件後初めて行われた定例の記者会見で、川崎市で起きた岡﨑彩咲陽さんの死体遺棄事件について、「被害者やご家族から相談を受けていたにもかかわらず、結果としてこのような重大な事案となったことを重く受け止めている」とし、「被害者、そしてご遺族に哀悼の意を表します」と述べました。 死体遺棄・損壊の罪で起訴され、28日、ストーカー規制法の疑いで再逮捕された白井秀征容疑者は、岡﨑さんが2024年12月20日に行方不明になった直後、警察の任意の事情聴取に対し、「12月12日から17日、岡﨑さんの家の前や勤務先の前をうろついた」などとストーカー行為を繰り返していたことを認めていましたが、警察は強制捜査に踏み切りませんでした。 その後、3月になって、白井容疑者が行方不明当日に岡﨑さんの自宅周辺に行ったことを認めたため、警察は4月30日にストーカー規制法違反の疑いで白井容疑者の自宅を捜索していますが、一連の経緯について、人身安全対策課は「あとから犯罪事実の構成が可能になった」と説明しています。 県警の対応の遅さを指摘する声に対して、和田本部長は「さまざまなご指摘・ご批判をいただいており真摯(しんし)に受け止めている」としたうえで、行方不明から5カ月以上経過したタイミングでのストーカー規制法違反容疑の再逮捕について、「全容解明を進める中で本日再逮捕した。引き続き事案の全容解明に向けて捜査していきたい」と話しました。 5月に立ち上がった検証チームについては、相談対応から捜査に至るまでに適切な対応がなされていたかや、警察庁の通達の趣旨に沿った対応がなされていたかなどを中心に調査を行うとし、「できるかぎり速やかに結果を取りまとめ公表したい」とコメントしています。