3年前の韓国第20代大統領選挙期日前投票から「ざる投票」と批判されてきた中央選挙管理委員会が今回も期日前投票ずさん管理問題を招いて頭を下げた。 盧泰嶽(ノ・テアク)中央選挙管理委員長は先月31日、国民向けのコメントで6・3大統領選挙期日前投票ずさん管理疑惑に対して「管理の行き届いていない部分が一部あった。混乱を招いた点について申し訳なく考えている」と明らかにした。盧氏はこの日、ソウル城東区(ソンドング)選挙管理委員会で記者団と会って「選挙手続きが終わり次第、問題の原因と責任所在を明らかにし、厳正な法的手続きを踏むようにする」と話した。 先月29~30日に開かれた期日前投票現場では投票用紙の搬出や代理投票など前例のない事故が相次いで発生した。先月29日、ソウル西大門区(ソデムング)旧新村(シンチョン)住民センターの期日前投票所は待機空間が狭いという理由で投票用紙を受け取った人を1時間ほど建物の外に待機させ、一部有権者は投票用紙を持ったまま飲食店で食事を取った。同日、ソウル 江南大峙2洞(カンナム・テチイドン)の期日前投票所では投票用紙発行機の業務を担当している選挙事務員のパクさんが配偶者名義の身分証で代理投票をして逮捕された。パクさんは1日に拘束された。選管委関係者はパクさんの投票について「投票紙がすでに投票箱に入っているため無効にすることはできない」と説明した。 5月30日には京畿道富川(プチョン)と金浦(キンポ)の期日前投票所で第22代総選挙投票用紙がそれぞれ1枚ずつ発見されている。同日、京畿龍仁(ヨンイン)の水枝区星福(スジク・ソンボクトン)住民センター期日前投票所では管外投票に出た20代女性投票人の回送用封筒内から李在明(イ・ジェミョン)共に民主党候補に印をつけた記票済みの投票用紙が出てきた。京畿道選管委は「該当選挙人が他人が記票した投票紙を伝達されて管外回送用封筒に入れたと推定される。混乱をあおる目的の自作劇と疑われる」とし警察に捜査を依頼した。 選管委は投票用紙搬出事件について、5月29日午後に金竜彬(キム・ヨンビン)事務総長名義で「投票用紙発行速度を調節しているずさん管理があり、選挙人に対する統制も完ぺきではなかった」とし、国民に対して謝罪文を出した。だが、期日前投票2日目にも期日前投票ずさん管理論争が続出すると盧泰嶽委員長名義で再度陳謝した。 市民団体「庶民民生対策委員会」は不良選挙管理を理由に盧氏とソウル市のオ・ミンソク選管委員長など選管委関係者19人を職務放棄など容疑で検察に告発した。 期日前投票ずさん管理問題が繰り返されると選管委内部の掲示板には「期日前投票の廃止を議論する時」というコメントも書き込まれた。「現行の期日前投票制度では事件・事故の発生は必然的」「期日前投票がとても難しい」などの意見も出てきた。選管委は市郡区選管委の職員を邑・面・洞に設置された全国3568カ所の期日前投票所にすべて配置することができない状況で、地方自治体公務員や選挙管理院などの手を借りて期日前投票の管理をしてきている。特に総選挙と地方選挙よりも投票率が高い大統領選挙では、特定時間に期日前投票人員が集まるとボトルネック現象のために選挙管理の過程で失敗が発生しやすい構造だ。ある作成者は「邑・面・洞単位よりも市郡区を基準として選管委で管理可能な個数の期日前投票所を運営しなければならない」と話した。