東北の連続自殺ほう助事件 SNSで接触、一部では金品やり取りか

10代の女性が自殺するのを手助けしたとして、山形県警は3日、福島市の無職、岸波弘樹容疑者(36)=未成年者誘拐容疑で逮捕=を自殺ほう助の疑いで再逮捕した。岸波容疑者は、別の男女4人(うち3人が死亡)に対する自殺ほう助などの罪で起訴されている。警察当局は、交流サイト(SNS)で自殺願望を書き込んだ若者らに相次いで声をかけ、金品を受け取ったりわいせつな行為をしたりした疑いがあるとみて、捜査を進めている。 再逮捕容疑は2024年9月、山形県上山市内で、女性が自殺するのを手伝ったとしている。県警は認否を明らかにしていない。 女性が死亡していたのは、上山市の山間部にある集落跡。空き家の庭に張られたテントの中から、遺体が見つかった。 この家は数十年前から無人だったといい、近くの住民(80代)は「地元の人間以外は入らない場所。なぜ、こんな場所で……」といぶかしんだ。 県警によると岸波容疑者は軽自動車で移動し、テントなどを事前に準備していた。他にも同種の3事件に関わったとして、自殺ほう助や嘱託殺人未遂などの罪で起訴されている。 最初に逮捕されたのは今年1月。同月に福島県田村市内の林道で、女性(20代)が車内で自殺するのを手助けした疑いだった。 24年6月には福島県喜多方市内の空き地で、宮城県の男性(20代)と埼玉県の男性(10代)の自殺を手助けしたとされる。 翌月にも喜多方市内で、18歳未満の女性にわいせつな行為をした上で、自殺を手伝おうとしたとして、起訴されている。この女性は途中で自殺の中止を求め、福島県警に届け出たことで事件が発覚した。 捜査関係者によると、被害者らはSNSで自殺をほのめかす投稿をし、岸波容疑者は「一緒に自殺しませんか」などと誘い出していた。一部では金品のやり取りがあったとみられる。 警察当局は、他にも被害者がいた可能性があるとみて、通信履歴の解析などを進めている。【竹内幹、竹田直人、松本光樹】 ◇相談窓口 ・24時間子供SOSダイヤル いじめやその他の悩みについて、子どもや保護者などからの相談を受け付けています。原則として電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関につながります。 0120・0・78310=年中無休、24時間。 ・子どもの人権110番 「いじめに遭っている」「家の人に嫌なことをされる」など、先生や親には話しにくい相談に法務局の職員や人権擁護委員が応じます。 0120・007・110=平日の午前8時半~午後5時15分 ・まもろうよ こころ【https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/sns/】 さまざまな悩みについて、LINEやチャットで相談を受けている団体を紹介する厚生労働省のサイトです。年齢や性別を問わず、自分に合った団体を探せます。 ・こころの悩みSOS【https://mainichi.jp/shakai/sos/】 悩みを抱えた当事者や支援者への情報のほか、相談機関を紹介した毎日新聞の特設ページです。

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