(CNN) トランプ米政権下で、米国に居住している移民の子ども数百人が自宅から連行され、政府の施設に収容されている。複数の関係者によると、家族と離れ離れにされたまま、解放が難しいケースもあるという。 事情に詳しい3人の関係者によると、トランプ氏が大統領に返り咲いて以来、いわゆる安全確認を経て、約500人の子どもが移民税関捜査局(ICE)によって政府の施設に収容された。大半は両親や家族がいる子どもたちだった。500人という人数はこれまでに分かっていた人数を大幅に上回り、そうした事例が極めてまれだった前年までと比べるとかけ離れて多い。 安全確認には米連邦捜査局(FBI)が関与することもある。捜査関係者によれば、その目的は子どもの安全確認よりも、そうでなければ捜査や逮捕の口実がない親族を見つけることにあると懸念する声がFBI内部から出ているという。 FBI広報は、連邦当局などが行う移民の子どもの安全確認に協力していることを確認した。 支援者や専門家、保健福祉省の元職員によると、米政権が審査手続きを厳格化したために、一部の両親や保護者にとって、政府の施設に入れられた子どもを取り戻すことが事実上不可能になっている。 保護者の同伴なしに米国にたどり着いた移民の子どもたちは、米国内に住む親や保護者に引き渡されるまで、保健福祉省の難民定住局が運営する施設に入れられる。 政府の統計によると、こうした施設に現在収容されている子どもは2500人以上。平均滞在期間も以前より大幅に長期化している。 新たな政策によって解放が難しくなる中で、施設内の子どもたちが精神的に衰弱する可能性があることは当局者も認めている。中にはうつの症状を訴える子どもたちもいるという。 専門家らは、政権が安全確認と主張する措置について、子どもを助けるどころか傷つけていると訴える。