部下の女性に性的暴行をしたとして法廷に立ったのは、関西検察のエースとまで呼ばれた大阪地検の検事正で、現在は弁護士の北川健太郎被告(65)です。 北川健太郎被告(2018年): 本日着任いたしました検事正の北川でございます。厳正、公平、不偏不党を旨として、事案の真相を解明し国民の負託に応える検察を目指したい。 就任会見で、検察の理念と抱負を語る北川被告。 しかし、この会見から約6年後の2024年6月、大阪高等検察庁が北川被告を逮捕したのです。 検事正として要職を歴任してきた人物が、逮捕・起訴される前代未聞の事態。 起訴状によると、北川被告は検事正だった2018年9月、大阪市内の官舎で、酒に酔って抵抗できない状態だった部下の女性に、性的暴行を加えた罪に問われています。 被害に遭った女性は、涙ながらに次のように訴えました。 被害女性: 大阪地検のトップの検事正から突如、性被害を受け全てを壊されました。女性として、妻として、母としての私の尊厳、そして検事としての尊厳を踏みにじられ、身も心もボロボロにされ全て壊されました。 6年間、被害を申告できなかった理由については、「被告人から『公にすれば死ぬ』『検察が機能しなくなり検察職員に迷惑がかかる』と脅され、口止めをされ、たくさんの職員に迷惑をかけられない検察を守らなければならないと思った」と話しました。 女性は、現職の検事として働きながらも、今も性被害によるPTSDに苦しめられているといいます。 そして、25日午後2時から開かれた初公判。 北川被告について、検察側は「北川被告は犯行時、『これでお前も俺の女だ』と発言。女性は恐怖で抵抗できず、被告が検事正という立場だったため被害を打ち明けられなかった」と指摘しました。 これに対し、北川被告は、小さな声で「争うことはしません。被害者に深刻な被害を与えたことを謝罪します」と述べ、起訴内容を認めました。