「主人は死ななくて済んだ」亡くなった警備員の妻が証言 通報から殺害までの17分間…警察はどう動いた 富山地裁

2018年、富山市の奥田交番で警察官が殺害され、奪われた拳銃で警備員が射殺された事件で、亡くなった警備員の妻が、県警の初動の対応に問題があったと訴えている裁判が9日開かれました。証言に立った妻は「警察の避難の呼びかけがあれば、主人は死ななくて済んだ」と訴えました。裁判は、この日の証人尋問をもって結審しました。 亡くなった中村信一さんの妻 「もし避難を呼びかける警察官の人がいてくれたら、主人は死ななくて済んだと思いました」 殺害された警備員・中村信一さんの妻は9日、県警を相手取った民事裁判で涙ながらに訴えました。 事件は、2018年6月26日、元自衛官の島津慧大被告(当時28)が富山市の奥田交番に押し入り、警察官の男性を殺害、奪った拳銃で奥田小学校の正門前で警備の業務にあたっていた中村さんを殺害しました。 2021年6月、中村さんの妻は「夫が亡くなったのは県警の初動対応に問題があったからだ」として県警と島津被告を提訴しました。 亡くなった中村さんの妻(2021年6月) 「なぜ主人が死ななければいけなかったのかをこの裁判を通じて明らかにしたいと思っています」 交番を襲った島津被告に対しては、2022年3月、富山地裁が損害賠償の支払いを命じる判決を出しました。 ■通報から殺害まで “17分間” の対応は… 一方、県警との裁判は4年間、続いています。 争点は、奥田交番にいた警察相談員が最初に通報した午後2時7分から、中村さんが殺害された午後2時24分までの17分間、県警の初動対応が適切であったかどうかです。 2023年3月、原告側の弁護団は独自に現場を検証しました。 原告側は、当時、島津被告が拳銃を奪って逃走したルートから現場検証を実施しました。 「ここに隠れたんだよね。一時的に」 「ここの公園の所に隠れるなりしたんでしょうね」 原告側は、県警が周辺住民への注意喚起を怠ったと主張しています。 原告側弁護団 「(島津被告は)ここで膝立ちして2発撃って失敗して。中村さんは何があったか分からないまま。ゆっくり後を追いかけるという感じの動き方をしている」

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加