日大重量挙げ部の奨学生の保護者が学費名目で金をだまし取られた事件で、詐欺容疑で逮捕された同部元監督難波謙二容疑者(63)が行っていたとされる不正徴収に、複数のコーチが関与していたことが11日、捜査関係者への取材で分かった。 ただ、詳しい事情を知らされないまま手伝わされていたコーチが大半だといい、警視庁捜査2課は詳しい経緯を調べる。 同課によると、難波容疑者は40代のコーチに指示し、奨学生の保護者に学費などを水増し請求するための書類を作らせていた。これを保護者に送付させ、部の口座に振り込ませた金の一部を詐取したとして逮捕された。 捜査関係者によると、同部のほかのコーチ3~4人は、入学時に必要な納付金として、入学金や授業料、施設設備資金などの項目を記載した請求書のひな型を作成。難波容疑者らが水増しした金額を記載後、請求書の送付なども行っていた。 難波容疑者からせかされ、保護者が部の口座に振り込んだ金を現金で引き出し、手渡ししたコーチもいた。ただ、ほとんどのコーチは、自分が担当する作業が不正目的と知らなかったという。