<1分で解説>米LA抗議デモに軍隊派遣 トランプ大統領の意図は?

米西部カリフォルニア州ロサンゼルスで不法移民の一斉摘発をきっかけにした抗議デモがあり、トランプ政権が州兵の動員に続き、海兵隊の派遣も命じる異例の事態となっています。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「ロサンゼルスの抗議デモ」を解説します。 Q なぜロサンゼルスで抗議デモ? A 6日に不法移民の一斉摘発があり、抗議デモが広がりました。米紙の報道によると、6日以降のデモ参加者らの逮捕者は150人以上に上っています。トランプ大統領は8日、「ロサンゼルスを移民の侵略から解放し暴動を終わらせるために必要な全ての行動を取る」と宣言し、厳しく対処する姿勢を見せました。デモには多くの市民が参加していますが、治安が制御できなくなる「暴動」にはなっていません。 Q 抗議デモに軍が対処するの? A トランプ政権は7~9日、計約4000人の州兵を派遣すると発表しています。米軍も9日、海兵隊約700人を派遣すると発表しました。国内の治安維持活動には警察組織が対処するのが基本です。カリフォルニア州は今回の州兵動員は大統領権限の逸脱で違法だとして連邦地裁に差し止めを求めて提訴しています。また、国外で任務を遂行する連邦軍の投入は原則禁止されており、連邦軍である海兵隊の動員はさらに異例です。 Q トランプ大統領の意図は? A 政敵を意識した動きがあります。カリフォルニア州は伝統的に民主党の地盤で、ニューサム州知事は民主党の次期大統領候補にも名前が挙がっています。ニューサム州知事はトランプ政権の不法移民対策には非協力的で、トランプ大統領は「見せしめ」として狙い撃ちした形です。また、強硬な不法移民対策を打ち出すことで世論にアピールする狙いもあります。

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