警視庁で「抵抗していないのに手錠」 トイレ行かせず 都に賠償命令

不当に手錠で拘束されて精神的苦痛を受けたなどとして、警視庁新宿署に勾留された男性(24)が東京都に165万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は11日、都に33万円の支払いを命じた。篠田賢治裁判長は「抵抗していない男性に手錠をし、保護室に漫然と収容し続けたことは違法」と判断した。 判決によると、男性は2022年4月に新宿署に強盗致傷容疑で逮捕された。起訴後の同年7月、同署の留置施設で毛布の差し入れを大声で求めたところ、保護室に入れられ、両手に手錠を付けられ、両足を縄で固定された。拘束は約2時間後に解かれたが、保護室への収容は約37時間に及び、男性は下着のまま排尿した。 判決は、保護室に入った男性が抵抗していないのに、拘束した新宿署の対応は著しく合理性を欠くとし、保護室への収容も遅くとも12時間後には中止すべきだったとした。トイレを利用させなかったことも「尊厳を著しく傷つけた」と認定した。 警視庁は「主張が認められなかったことは残念。判決内容を精査した上で、今後の対応を決める」とコメントした。【安元久美子】

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