グアンタナモ被収容者へのCIA拷問に英情報機関が「加担」 英で裁判

【AFP=時事】英ロンドンで11日、2001年9月11日の米同時多発攻撃に関与したとしてキューバ・グアンタナモ米軍基地収容所に収容されている容疑者ら2人に関する裁判が行われ、反拷問団体の「Redress」は、米中央情報局(CIA)の拷問に英国の情報機関が「加担」したと主張した。 Redressは、英対外情報部「MI6」と情報局保安部「MI5」を含む複数の情報機関が、ムスタファ・ハウサウィ容疑者への拷問に「関与した可能性」があるとして、2021年に訴えを起こした。 Redressの担当弁護士エドワード・クレイブン氏は、問題は、こうした情報機関が、ハウサウィ容疑者の尋問中、「質問や情報を提供」するか、尋問中に得られた「情報を受け取る」ことで、CIAに「加担」していたかどうかだと主張した。 1968年生まれでサウジアラビア国籍のハウサウィ容疑者は、2003年にパキスタンで逮捕され、米当局から、9.11攻撃に関与した疑いを持たれ、同攻撃事件から20年以上たった今なお、グアンタナモ米軍基地に勾留されている。 クレイブン氏は、ハウサウィ容疑者が水責めや睡眠妨害、レイプなど「最も残虐な拷問を受けたことは疑いない」と指摘。 同容疑者は、アフガニスタン、リトアニア、モロッコ、ルーマニアにある「ブラックサイト」と呼ばれるCIAの秘密の拘置施設に収容されていたと述べた。 最近、米当局が公開した情報によると、CIAは2003年、英国を攻撃する計画案についての情報をハウサウィ被告から聞き出すよう尋問者に求めていたとされる。 今回の裁判で問われているもう一人は、2000年にイエメン沖で米兵17人が死亡した米海軍駆逐艦コール爆破事件の首謀者とされるアブド・ラヒム・ナシリ容疑者で、同じくグアンタナモに収容されている。 Redressの法律顧問クリス・エスデール氏は、この裁判により、「英国史の恥ずべき1章について前例のないレベルでの司法審査が行われる」としている。 英議会の2018年の報告書は、米当局に拘束されたテロ容疑者への虐待を英国は容認していたと結論付けている。 裁判は、英国情報機関に対する苦情を扱う司法機関、調査権限行政審判所(IPT)で、13日まで行われる。【翻訳編集】 AFPBB News

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加