いわき市水道局が発注した公共事業を巡る官製談合事件。 真山佳幸容疑者(34)は、2024年1月に入札が行われた水道局発注の水道管の老朽化に伴う改修工事で、会社役員に設計金額を漏らし落札させて、公正な入札を妨げた疑いが持たれています。 この事件では、管工事会社の社長・松原文司容疑者(74)と、息子で取締役の松原文隆容疑者(48)も逮捕されています。 真山容疑者は、松原容疑者らと私用の携帯電話を使って連絡を取っていたとみられることが、捜査関係者への取材で分かりました。 有識者による調査委員会でも、水道局は業務用の携帯電話を貸し出していないことが問題点として指摘されていました。 警察は家宅捜索で段ボール約20箱分の資料を押収し、業者側から話を持ち掛けた可能性があるとみて、見返りがあったことも視野に調べています。 いわき市によりますと、真山容疑者は2013年に採用され、老朽化した水道管の更新などを行う部署で、工事の設計や積算をする業務を担当していました。 勤務態度に問題はなく、職場ではムードメーカー的な存在だったという真山容疑者。 疑惑の入札を巡る内部調査では、外部への情報漏えいを否定していたそうです。 一方、県管工事協同組合連合会で、7期14年にわたり会長を務めるなど、業界の「顔」とも言える立場にあった松原文司容疑者。 前会長の逮捕は、地元の同業者にも波紋を呼んでいます。 市内の同業者の男性は「情報漏えいは基本的にない。水道局で漏えいとなれば、それは官製談合になってしまう。(松原容疑者の会社の落札金額は)なんか変だなという感覚的なものはあった。同業がみんなそう言っていて、私もちょっとおかしいなと思った」と話します。 男性によると、入札は息子の文隆容疑者が担当していたとのこと。 市が誤って算出した最低制限価格と、松原容疑者の会社が落札した金額に1円のずれもなかったことに違和感を抱いたと言います。 男性は、「単価は毎年変わるから、必ず積算ソフト会社からパソコンにダウンロードするように(通知が)入ってくるので必ず更新はする。最低制限価格にぴったり、且つ(真山容疑者も松原容疑者も同じように)去年のデータで積算したという点はちょっと引っかかる」と話していました。