「誠意伝わらない」「天下りやめる宣言したら」 フジ・メディアHD株主総会で意見飛び交う 昨年の20倍超3364人参加

フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)の株主総会が25日、東京都内で開催され、昨年の162人を大きく上回る3364人の株主が参加した。午前10時にスタートした総会は約4時間半後の午後2時半に終了、質問は51件に及んだ。発明家のドクター中松氏(96)や実業家の堀江貴文氏(52)も出席した。 フジテレビを巡っては元タレント中居正広氏(52)と元女性社員との間でトラブルが発生。同局は対応などを含め批判を浴び、番組のスポンサー離れなどに発展した。また、オンラインカジノを利用したとして常習賭博の疑いでプロデューサーが逮捕、賭博の疑いで山本賢太アナウンサー(27)が書類送検されるなど、ここ数日で追い打ちをかけるように問題が発生していた。 この日、議長を務めた金光修社長(70)は冒頭「当社子会社であるフジテレビジョンにおける一連の事案により、みなさまにご迷惑とご心配をおかけしましたことを心よりおわび申し上げます」と謝罪し頭を下げた。これに対し、出席者からは「誠意が伝わらない」の声も飛んだ。 続いて清水賢治専務(フジテレビ社長、64)が「企業風土やガバナンスの改革を確実に遂行し、人権尊重を経営の中心に置く揺るぎない企業文化の構築に取り組んでまいります」などと説明した。 出席者によると、質問は1人あたり2分間とし、希望者は挙手で順番に指名されていったという。ドクター中松氏は「私の提案を議長にご覧いただきたい」と呼びかけ「フジテレビを復興する」という、ドクター中松ドクトリンなる書状を渡した。 中居氏について損害賠償はしないのかとの質問に、清水専務は「まず信頼回復が優先。この事案については複雑で法的な専門家から助言をもらいながら検討していく」と回答した。 他にも「天下りをやめると宣言しては?」「グループのロゴマークを変える決意はあるのか?」「テラスハウスの件もほったらかしでは?」などといった質問や意見が飛び交った。終盤には長引く事態にしびれを切らし「くだらない質問が多すぎる。拍手で決めましょう!」と打ち切りをもちかける株主もいたという。 総会ではフジ経営陣の刷新問題で、会社側と大株主のファンド「ダルトンインベストメンツ」がそれぞれ提案している取締役候補を巡って対立していたが、結局、会社側が提案した清水専務の社長就任を含めた11人の取締役の選任案を可決、ダルトン側の議案は否決された。

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