尹前大統領への拘束令状、裁判所が棄却 特別検察は尹氏に出頭を要請

韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領が出した非常戒厳をめぐり、特別検察官が特殊公務執行妨害などの容疑で尹氏への拘束令状を請求したのに対し、裁判所が25日、この請求を棄却した。 尹氏は大統領在任中、内乱を首謀した容疑で身柄を拘束され、その後逮捕、起訴された。現在は同罪で在宅のまま公判に臨んでいる。 この罪とは別に、警察は尹氏について、非常戒厳をめぐって捜査当局が自身を拘束しようとするのを大統領警護庁を動員して阻止しようとしたとして、特殊公務執行妨害容疑や職権乱用容疑で捜査していた。 特別検察官は李在明(イジェミョン)政権下で与党となった共に民主党が主導する形で設置され、警察から事件を引き継いでいた。特別検察官は尹氏が警察による再三の出頭要請に応じなかったため24日、裁判所に拘束令状を請求。これに対し、尹氏の弁護側は同日、特別検察官から出頭の要請があった場合は応じるとの尹氏の立場を明らかにしていた。 韓国メディアによると、特別検察官は「裁判所は前大統領が出頭要請に応じると表明していることを理由に請求を棄却した」と説明しているという。特別検察官は尹氏に対し、28日午前に出頭するよう通告したという。(ソウル=清水大輔)

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