山本一太知事は26日の記者会見で、桐生市役所の建て替え工事を巡り、公契約関係競売入札妨害容疑で営業部長が逮捕された関東建設工業の社長から、昨年に食事の誘いを受け、断ったと明らかにした。同容疑で逮捕された県議の相沢崇文容疑者(49)が仲介役となり、秘書に「知事と食事がしたい」と連絡があったという。県は25日付で、適切な契約事務の執行と綱紀保持について職員に通知した。 山本知事は「(社長)本人が電話してくればいい。(県議が)まるで使いっ走りに見えると皆が言っていた。手先のようになってアポを申し入れるやり方は良くない」と批判。退任した宇留賀敬一氏が副知事時代、相沢容疑者と約束した場所に出かけた際、同社社長がいたとも述べた。 山本知事は、相沢容疑者が同社と関連企業から寄付を受けていた点に触れ「誤解を生む。疑われても仕方がない」と言及。「もっともらっていた人だっているわけでしょう。誰なのか知りたいよね」とも発言した。同社などに対し「しっかり説明責任を果たすべき。組織のトップの責任は大きい」と求めた。 また事件後に登庁していない桐生市の森山享大副市長について「私だったら辞めます。議会にも来られず、任意の事情聴取を受けている。市民の信頼を取り戻せない」と述べた。【福田智沙】