TOEIC替え玉受験 中国人業者が組織的に関与か 不正請負サイトも

英語の国際テスト「TOEIC」で、中国人の関与が疑われる不正受験が表面化している。替え玉受験やカンニングを請け負うと紹介する中国語のインターネットサイトも確認されており、中国人の間で組織的な不正が横行している可能性がある。 不正が発覚したのは、TOEICの運営法人が5月に警視庁に寄せた相談がきっかけだった。 「試験中に中国語でブツブツ言っている人物がいる」 「異様に高い点数を取っている受験者がいる」 これを受けて警視庁は捜査を開始。5月18日に、東京都内の試験会場に替え玉受験をしようと侵入したとして、京都大大学院生の王立坤容疑者(27)を建造物侵入容疑で現行犯逮捕。また、王容疑者が3月に別の試験会場で別人になりすまして受験したとして、有印私文書偽造・同行使容疑で再逮捕した。 王容疑者は990点満点中、900点以上の高得点を取っていたという。替え玉受験だけではなく、マスクの内側に付けた小型マイクで他の人に解答を教えるカンニングにも関与していたとみられる。 王容疑者が逮捕された後も、6月の東京都内の試験会場で、カンニングしようとしたとされる中国人の男女10人について、警視庁が任意で事情聴取をしている。このため警視庁は、複数の中国人の業者が不正受験を手配しているとみている。 実際、中国語のサイトには、替え玉受験で高得点を取れることを約束するかのような文言が並ぶ。サイトには詳細な料金説明はないが、保証する点数に達しない場合は「全額返金」との記載もある。 サイトの担当者とは通信アプリでやり取りする形。ある20代の中国人女性は取材に対し、担当者から替え玉受験の費用は約120万円だと説明を受けたと話した。この女性は不正な手法だと気づき、依頼はしなかった。【菅健吾】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加